[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
大統領府
元記事公開日:
2022/10/28
抄訳記事公開日:
2022/12/22

バイデン政権、パートナーシップにより海洋科学技術を推進

Biden-⁠Harris Administration Advances Ocean Science and Technology through Partnerships

本文:

(2022年10月28日付、大統領府による標記発表の概要は以下のとおり)

本日バイデン政権は、新造船の起工を祝い、海洋探査・観測の新たな優先事項、海洋酸性化に関する新たな知見、および先駆的なパートナーシップについて発表した。これらの省庁間および官民間のパートナーシップは、政権が我々の生活において海洋が果たす重要な役割を重視していることを強調している。

▽新しい海洋調査船の起工
本日、米国海洋大気庁は、人類未踏の海域を含めて海洋調査を行う新造船「ディスカバラー(Discoverer)」の起工式を行った。副大統領夫君ダグラス・エムホフ氏は、この新造船のスポンサーを務めており、気候危機やその他多くの課題に取り組む上で海洋が果たす重要な役割を強調した。

▽海洋探査の新たなフロンティアの追求
本日、大統領府科学技術政策局と大統領府環境品質会議(Council on Environmental Quality)が主導する米国海洋政策委員会(U.S. Ocean Policy Committee)は、報告書「米国排他的経済水域の探査および特性評価に関する戦略的優先課題(Strategic Priorities for Ocean Exploration and Characterization of the United States Exclusive Economic Zone)」を発表した。報告書が定める優先課題として、海底起源の災害予測、海洋文化遺産への理解の向上、新たな生物生息地や生態系の発見が推進されることになる。

▽海洋酸性化の研究とモニタリングの推進
過剰な量の二酸化炭素が海洋に吸収されることにより海水の酸性化が進行し、水質の変化が海洋生物に害を及ぼしている。本日、国家科学技術会議海洋科学技術小委員会の海洋酸性化に関する省庁間ワーキンググループは、「連邦政府資金による海洋の酸性化の研究・モニタリング活動に関する第6次報告書(Sixth Report on Federally Funded Ocean Acidification Research and Monitoring Activities)」を発表した。報告書では、海洋・沿岸の酸性化が生態系や地域社会に及ぼす影響の理解から、海洋ベースの気候変動の解決策の特定まで、さまざまな研究活動に焦点を当てている。一連の活動には 海洋炭素の観測とモデリング、自律型プラットフォームや新規センサーなどの技術開発、海洋酸性化の社会経済的影響の研究、海洋酸性化についての認識向上のための公教育や啓もう活動の実施などのプロジェクトが含まれていた。

▽パートナーシップによる海洋研究の支援
海洋政策委員会の下にある「国家海洋学パートナーシップ・プログラム(National Oceanographic Partnership Program:NOPP)」は、政府と他セクターとの間の垣根を超えた海洋研究パートナーシップを促進する旗艦プログラムである。NOPPは、6つの連邦機関の支援により7つの新たなプロジェクトを進めた。そのうちの一つは、1,200万ドル以上の資金提供を受けた、ハリケーンが与える沿岸への影響の予測研究である。またNOPPはアリューシャン列島の地図作成と探査活動にも取り組み始めた。今後、新たに設置されたNOPP室や「海洋研究諮問委員会」の再設置により、影響力のあるパートナーシップを構築する活動がさらに強化されることになる。

[DW編集局]