[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
フラウンホーファー協会(FhG)
元記事公開日:
2022/11/01
抄訳記事公開日:
2022/12/23

フラウンホーファー協会が石炭地域の構造改革を積極推進

Fraunhofer gestaltet Strukturwandel aktiv mit

本文:

(2022年11月1日付、フラウンホーファー協会(FhG)による標記発表の概要は以下のとおり)

石炭地域の構造改革は、差し迫った経済的・社会的課題である。FhGは、該当する地域の中でも、特にラウジッツ、中央ドイツ、ライン・ルール地方、ヘルムシュテット地方を、石炭地域を持続可能な産業社会変革させる、国際的にもわかりやすいモデル地域へと発展させるために、イノベーションによる構造改革を目指している。「構造改革ツアー“Fokusreise Strukturwandel”」の一環としてノイゲバウアー(Prof. Reimund Neugebauer)FhG会長が、地域の研究所の科学者と共に、本年11月1日から7日まで、指針となるキーテクノロジーと、その革新的なアプリケーションを紹介する。

ノイゲバウアー会長は、次のように説明している:「改革の成功に必要なのは、新しいテクノロジーだけではなく、経済、政治、社会の状況も考慮して、科学的発見や研究成果を効率的かつ持続的に産業界や社会に還元していくことである。FhGは、石炭地域での研究、地域の経済構造の統合、現地での持続可能な価値創造のための顧客に合わせたソリューションの開発により、イノベーション主導の構造改革に大きく貢献し、石炭地域における改革プロセスの成功に重要な役割を果たしている。」

会長は、産業界や科学界のパートナー、政界の高官などと共に、エネルギー供給の安全保障、水素経済、持続可能な農業などのテーマに関して、将来の技術が進むべき方向について議論する。

■「構造改革ツアー」拠点の概要

1)ラウジッツ石炭地域 ブランデンブルク
FhGエネルギーインフラストラクチャー・地熱システム研究センター(IEG)は、EU、ドイツ、連邦州のレベルで、気候中立なエネルギーシステムと水素経済の導入に向けたインフラの変革を支援している。ここでは、IEGがセクターカップリング、グリーン・ヒーティング・ネットワーク、地熱エネルギー供給、および水素インフラが具体的にどのように実装されているかを示している。

2)中央ドイツ石炭地域
FhG風力エネルギーシステム研究所(IWES)は、水素ラボ・ロイナ(HLL)を通じて化学産業におけるグリーン水素の今後の展開を切り開いている。
材料・システム微細構造研究所(IMWS)は、バイオエコノミー、資源効率、気候技術、水素技術の将来のトピックスを形成する役割を果たしている。

3)ヘルムシュテット石炭地域
食料生産を確保するための分散型で回復力のあるハイテク農業システムの開発は、地域住民の持続可能な危機管理に大きく貢献する。FhG被膜・表面技術研究所(IST)とFhGセラミック技術・システム研究所(IKTS)は、この地域の農業構造改革をモデルとして推進している。

4)ライン・ルール石炭地域
FhGエネルギーインフラストラクチャー・地熱システム研究センター(IEG)は、次世代の気候中立なエネルギーシステムのための技術を開発、テストし、大都市で、それらを相互にネットワーク化する予定である。

5)ラウジッツ石炭地域 ザクセン
この地域では、軽量構造とエネルギー技術の新しい可能性に焦点が当てられている。プラスチック製品を中心にダイナミックに発展しているこの地域では、FhG工作機械・成形技術研究所(IWU)が理想的な研究開発パートナーとして活躍している。

[DW編集局]