[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
欧州委員会(EC)
元記事公開日:
2022/11/10
抄訳記事公開日:
2023/01/17

サイバー脅威への対策を強化

Cyber Defence: EU boosts action against cyber threats

本文:

(2022年11月10日付、欧州委員会の標記発表の概要は以下のとおり)

欧州委員会と上級代表は本日、ロシアのウクライナ侵略によって悪化する安全保障環境に対処し、欧州連合(EU)市民とインフラを守る能力を高めるため、EUのサイバー防衛政策と軍事モビリティ2.0に関する行動計画について共同発表を行った。新たなサイバー防衛政策により、EUはサイバー防衛における協力と投資を強化し、増加し続けるサイバー攻撃に対して、より適切に保護、検知、抑止、防衛を行うことができるようになる。

サイバースペースに国境はない。エネルギーネットワーク、輸送インフラ、宇宙資産に対する最近のサイバー攻撃は、それらが民間・軍事の双方にリスクをもたらすことを示している。このため、市民と軍隊のみならず、EUの民間・軍事の任務と活動もサイバーの脅威から守るために、さらなる行動が求められている。

EUのサイバー防衛政策は、サイバー防衛能力を高め、軍と民間のサイバーコミュニティ (民間、司法、外交、防衛) 間の調整と協力を強化することを目的としている。また、EU域内のサイバー危機管理を効率化し、重要なサイバー技術における戦略的依存を軽減すると同時に、欧州防衛技術産業基盤(EDTIB)を強化することになる。さらに、サイバー人材の育成、惹きつけ、維持を促進し、サイバー防衛分野におけるパートナーとの協力を強化する。

EUのサイバー防衛政策は、EUと加盟国を支援する幅広い取り組みを網羅する以下の4つの柱を中心に構築されている:

◆EUのサイバー防衛強化に向けた連携
EUは、各国およびEUのサイバー防衛関係者間の調整メカニズムの強化によって、軍と民間のサイバーセキュリティ・コミュニティ間の情報交換と協力を増強し、軍のCSDP(共通安全保障・防衛政策)の任務と作戦を支援する。

◆EUの防衛エコシステムの保護
防衛分野を含め、企業や政府に対するサイバー攻撃には、非重要ソフトウェア・コンポーネントも利用される可能性がある。そのため、軍事・民間双方の領域を保護するためのサイバーセキュリティの標準化と認証に関するさらなる取り組みが必要である。

◆サイバー防御機能への投資
加盟国は、PESCO(常設軍事協力枠組み)、欧州防衛基金、Horizon Europeやデジタルヨーロッパプログラム(DEP)など、EUレベルで利用可能な協力プラットフォームや資金提供メカニズムを使用して、共同で最新の軍事サイバー防衛能力への投資を大幅に増やす必要がある。

◆共通課題への取り組み
EUは、パートナー国との既存の安全保障・防衛およびサイバー対話に基づいて、サイバー防衛領域で個別のパートナーシップの確立を目指す。

[DW編集局]