[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
欧州委員会(EC)
元記事公開日:
2022/11/10
抄訳記事公開日:
2023/01/17

軍事的機動性: 軍隊が国境を越えてより迅速かつ適切に移動できるようにする施策

Military Mobility: EU proposes actions to allow armed forces to move faster and better across borders

本文:

(2022年11月10日付、欧州委員会の標記発表の概要は以下のとおり)

本日、欧州委員会と上級代表は、ロシアのウクライナ侵略に伴う安全保障環境の悪化に対処し、EUの市民とインフラを保護する能力向上のための「軍事的機動性2.0」に関する行動計画と、EUサイバー防衛政策に関する共同記者会見を行った。

特に、軍事的機動性に関する行動計画は、EU域境および域境外で発生する危機に対して、欧州軍がより適切に、より迅速に、十分な規模で対応を可能とするものである。それは、軍隊とその装備を輸送する際に、加盟国とパートナーを支援するEUの能力を強化する。また規制上の課題を解決し、インフラの接続性と保護を改善する。さらにNATOとの協力を強化し、主要パートナーとの接続性と対話を促進する。

新「軍事的機動性」は、2018年に開始された最初の行動計画の成果に基づき、2022年〜2026年の期間をカバーし、以下の事項が盛り込まれている。

▽インフラにおけるギャップを特定し、改善事項の優先順位付けと燃料サプライチェーンの需要調整の際の措置を事前に告知することで、軍隊の短期間の大規模移動を可能とすること
▽通関物流と軍事移動システムに関連する行政プロセスのデジタル化
▽サイバー攻撃やその他のハイブリッド脅威から輸送インフラを保護するための対策
▽戦略的揚陸機能へのアクセス促進と、民間部門との相乗効果の最大化による、特に空と海による軍隊の機動性向上
▽輸送システムのエネルギー効率と対気候変動耐性の向上
▽NATO および米国・カナダ・ノルウェーなどの主要戦略的パートナーとの協力強化、ウクライナ・モルドバ・西バルカン諸国などの地域的パートナーおよびその周辺国との接続性と対話の促進

欧州委員会は、適切に接続され、機能的で安全な軍事的機動性ネットワークを確保するため、デュアルユースの輸送インフラプロジェクトを支援する「Connecting Europe Facility」や、相互運用可能なロジスティクスおよびデジタルシステムの開発を支援する「欧州防衛基金(EDF)」などの資金助成を通じて行動計画を支援している。

[DW編集局]