[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国家科学技術会議(NSTC)
元記事公開日:
2022/11/16
抄訳記事公開日:
2023/01/18

コンバージェンス教育:超学際的なSTEM学習・教育への手引

Convergence Education: A Guide to Transdisciplinary STEM Learning and Teaching

本文:

(2022年11月16日付、国家科学技術会議(NSTC)による標記発表の概要は以下のとおり)

「諸分野が集約される(コンバージェンスする)ところに学生を参加させること(engaging students where disciplines convergence)」は、「2018年連邦STEM教育戦略計画(2018 Federal STEM Education Strategic Plan)」のビジョンと目標の達成に向けた横断的アプローチを備えた手法であり、主体性と創造性を必要とする現実世界の問題や課題に焦点を当てることで科学・技術・工学・数学(STEM)教育を学生にとってより有意義で刺激的なものにすることを目指すものである。コンバージェンス教育(convergence education)は、教育、学習、評価の学際的アプローチであり、気候変動への取り組みやパンデミックへの対応と予防、新興技術、イノベーションと起業家精神など、STEM諸分野が集約される領域に焦点を当てている。

コンバージェンス教育は、コンバージェンスに関する省庁間ワーキンググループ(Interagency Working Group on Convergence:IWGC)が定義するように、学習者が複数の分野にわたる融合的な(すなわち超学際的な)アプローチを用いて知識やスキルを適用して新たな解決法を創造し革新していくことが求められるような、切実なまたは複雑な社会科学的課題によって推進されるものである。

この手引のセクションIでは、コンバージェンス教育に関する研究と、超学際的な学習のSTEM教育への応用について、概要を説明している。セクションIIでは、以下のことがらを提示している。
①コンバージェンス教育のための教育学的枠組み、セクションIの文献レビューを用いたコンバージェンス教育の定義付け
②コンバージェンス教育の特徴、目標、利点の概説
③コンバージェンス教育を達成するための推奨ツールとプロセス
④STEM 教育・学習・評価を通じたコンバージェンス教育への道筋の概説、
⑤有望な、もしくは確立された実践方法・課題・障壁についてのまとめ
⑥関係者への提言

本手引に掲載している、IWGCによって開発されたもしくは文中で紹介しているリソースは、連邦政府機関や STEM 教育関係者がコンバージェンス教育を業務に取り入れることを支援・奨励するために設計されている。本報告書の想定読者は、連邦政府機関およびその他の STEM 教育関係者であり、本報告書は教育関係者コミュニティ に直接働きかけることを意図していないが、機関および関係者が活用できる有用なツール、言葉、事例を含んでいる。コンバージェンス教育は、本質的に超学際的である21世紀の最も差し迫った世界的な課題と機会に取り組むために、学生を最もよく訓練するアプローチである。各省庁や関係者においては、ここで概説された教育学的概念や枠組みをどのように各自のSTEM教育に利用し取り入れることができるかを検討されたい。

コンバージェンス教育を成功させるための道筋を理解するためには、外部の主要な関係者と連邦機関の両方からの関与、意見、および調整が必要であった。これらのグループから得られた知見は、コンバージェンス教育に関する現状、実施の推進要因と障害、そして将来の可能性を明らかにしている。

[DW編集局]