[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
大統領府科学技術政策局(OSTP)
元記事公開日:
2022/12/06
抄訳記事公開日:
2023/01/27

OSTP、今後10年間の地球変動対応に関する戦略計画を発表

A Look to the Next Decade: Research to Assist the Nation and the World in Responding to Global Change

本文:

(2022年12月6日付、大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy:OSTP)の標記発表の概要は以下のとおり)

32年前、地球変動研究法(Global Change Research Act:GCRA)により、米国地球変動研究プログラム(U.S. Global Change Research Program:USGCRP)が創設された。このプログラムは、気候変動に対する我々の理解を大きく向上させ、米国及び世界中の人々に対して、重要なデータや科学的情報を利用可能なものにしてきた。コミュニティプランナーは、NOAA(海洋大気庁)、DOE(エネルギー省)、NSF、NASAなどの機関がサポートする気候予測を利用して、気候変動が住宅やインフラに与える影響を把握し、農業者は、USDA(農務省)、NOAA、DOI(内務省)、EPA(環境保護庁)の観測データや指標を利用して、どの作物をいつ植えるかを決定している。また、NOAAやHHS(保健福祉省)などの機関の研究協力の結果、医療関係者は疾病媒介生物の変化に関する情報を利用して、患者の適切な診断や治療に役立てている。

本日、USGCRPは次の10年間(2022-2031年)の戦略計画を発表する。新計画は、USGCRPや他の機関が構築してきた膨大な知識基盤を基に、新しいアプローチ、重要な研究、そして幅広い意思決定者への実用的な知識の提供を可能にするものであり、下記の4つの柱で構成されている。

①科学の推進
USGCRPは、長年にわたり気候変動に関する知識を大きく発展させてきたが、新計画では社会科学や伝統的知識も含め多様なアプローチを採用し、気候変動と自然破壊など他の複号的な変化との相互作用に関する知識を発展させることを予定している。また、ティッピングポイント(転換点)として知られる、突然の、広範囲にわたる、時に取り返しのつかない変化が起る可能性など、社会に関連した科学的に未解明な事項に対する研究投資も想定している。

②国民の参画
USGCRPは、気候変動の影響をよく理解するため、その最前線にいる人々はもちろん、多様なコミュニティに関与する。また、USGCRPは、連邦政府の地球規模の変化の研究強化に向け、国民の多様性を反映した、より多様で包括的な科学的労働力を構築するための取り組みを主導する。

③意思決定への情報提供
USGCRPは迅速な対応を可能とするために、情報の入手とアクセスをより容易なものとする取組みを継続する。例えば、地域の意思決定者が容易にカスタマイズし、適用できるような形で情報を提供する予定である。

③国際的な協力
USGCRPは、既存の国際パートナーとの協力関係を強化するとともに、新たな協力関係も構築していく。USGCRPは、「気候変動に関する政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate Change)」など、世界中の政策立案者にとって重要な国際的評価プロセスを引き続き支援していく。

[DW編集局]