[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国防高等研究計画局(DARPA)
元記事公開日:
2022/11/28
抄訳記事公開日:
2023/02/02

米国サイバー軍とDARPAが、サイバー機能の迅速な実用化プログラムを開始

U.S. Cyber Command, DARPA Initiate Rapid Cyber Capability Prototyping and Integration Pilot

本文:

(2022年11月28日付、国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Projects Agency:DARPA)の標記発表の概要は以下のとおり)

米国サイバー軍(Cyber Command:CYBERCOM)とDARPAは、新たなサイバー機能をサイバー空間のオペレーターに迅速提供することを狙った試行プログラムを開始した。

「Constellation」として知られるこの試行プログラムは、ユーザー指向・漸進的・反復的な情報経路(パイプライン)を設けることによって、ハイリスク・ハイリターンなサイバー科学技術研究から生まれる新たなサイバー機能の流れを使用可能にし、こうした機能のCYBERCOMのソフトウェア・エコシステムへの創出・提供・導入・配信を加速するものである。

サイバー軍のマイク・クラーク(Mike Clark)サイバー調達・技術局長(Director of Cyber Acquisition & Technology)によると、イノベーションはサイバー軍の戦略の核であることから、CYBERCOMとDARPA は新たな戦術的・戦略的サイバー能力を成熟させ運用上の戦闘プラットフォームに統合するためにこれまで以上に緊密に協力しており、「Constellation」にとっての成功とはDARPAの研究開発から実用化を志向するCYBERCOMへの移行速度を上げることを意味する。

研究開発コミュニティでは、「死の谷」はプロトタイプを実用に移行させる最も困難な段階を表す比喩である。研究から運用までのアジャイルなパイプラインの構築は、急速に進化する技術や専門家・非専門家の双方にとっての受容性・使い勝手といった、ソフトウェアシステム開発の際に国防総省が直面する課題への対処のために必須である。

「Constellation」は、仮想・物理インフラ、人・契約、科学技術・研究・開発・実戦戦闘能力の間のギャップの橋渡しに必要な関係の維持、進化するサイバー脅威や任務遂行上のニーズに関する科学技術コミュニティへのフィードバックを与えるために、枠組みを提供し仕組みを創出する。DARPAの情報イノベーション局(Information Innovation Office)の局長(director)であるキャスリーン・フィッシャー(Kathleen Fisher)博士は、DARPAの開発と並行してConstellationプロジェクトを遂行することがリスクの軽減、移行期間の短縮、そして「死の谷」の克服に向けた助けになる旨を述べている。

[DW編集局]