[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
エネルギー省(DOE)
元記事公開日:
2022/12/13
抄訳記事公開日:
2023/02/06

バイデン政権、CO2除去産業の創出に37億ドルを拠出

Biden-Harris Administration Announces $3.7 Billion to Kick-Start America’s Carbon Dioxide Removal Industry

本文:

(2022年12月13日付、エネルギー省(Department or Energy:DOE)による標記発表の概要は以下のとおり)

本日、バイデン政権は、DOEを通じて、商業的に実行可能で公正かつ責任ある二酸化炭素(CO2)除去産業の構築を支援する4つのプログラムの立ち上げを発表した。超党派インフラ法から37億ドルの資金を得たこれらのプログラムは、民間部門の投資を加速し、炭素管理技術のモニタリングとレポートの進化を促し、回収された炭素を利用して生産された製品の州および地方政府による調達・利用を助成する。炭素管理技術の大規模な展開は、炭素排出量削減の努力と合わせて、気候危機に対処し2050年までにネットゼロ経済を実現するという大統領の目標の達成に不可欠であり、産業界の既存の雇用を守ると同時に新たな雇用を生み出す。

大統領のこの歴史的なアジェンダは、すべての産業分野における炭素汚染の削減に取り組んでいる。CO2排出量のさらなる削減努力を続ける一方で、二酸化炭素除去は、激しさを増す嵐・洪水・山火事など、気候変動関連の重大な被害の原因となっている過去からの炭素汚染を解消する重要なツールである。

超党派インフラ法による資金提供に加え、インフレ抑制法は、CO2の回収と地下貯留に対する連邦税制優遇制度45Qを大幅に改善し、大きな補完的インセンティブを提供している。DOEの分析では、この両法令の措置により、2030年の温室効果ガス排出量を、2005年比で40%削減できると推定している。

DOEの取り組みは、質の高い雇用の創出など全国の地域社会に利益をもたらすと同時に、大統領の「Justice4.0イニシアチブ」に基づいて、公平性と環境正義を優先して行われることになる。これらの技術は、温室効果ガス排出量の削減に加えて、規準大気汚染物質を削減し、累積汚染の増加から地域社会を保護し、国中で労働組合にも信頼される良好な雇用を維持、創出することができる。

DOEが発表した新しい取り組みは以下のとおりである。

▽「直接空気回収賞」の創設
DOEの化石エネルギー・炭素管理局(Office of Fossil Energy and Carbon Management:FECM)は、大気中のCO2を回収する画期的な直接空気回収の研究開発に「直接空気回収産業化前賞(Direct Air Capture Pre-Commercial Prize)」として最大1,500万ドル、直接空気回収施設の建設に「直接空気回収産業賞(Direct Air Capture Commercial Prize)」として最大1億ドルを提供する。

▽4つの「地域直接空気回収ハブ」の構築および実証実験
DOEのクリーンエネルギー実証局(Office of Clean Energy Demonstrations:OCED)は、FECMと共同で、35億ドルを投じて国内に4つの「地域直接空気回収ハブ(regional direct air capture hub)」を建設する。各ハブは、年間100万トン以上のCO2を回収しそのCO2を地層に永久に埋め込むか製品に転換することによって貯留できる可能性を持つ直接空気回収技術について、商業規模での実証を行う。

▽「炭素利用調達助成金プログラム(Carbon Utilization Procurement Grants)」の創設
FECMは、本プログラムを通じて、炭素排出量削減技術の商業化支援、および回収炭素から開発された工業製品の調達・利用の促進に、総額1億ドルの助成金を提供する。

▽超党派インフラ法「技術商業化基金(Technology Commercialization Fund:TCF)」の創設
DOEの技術移行局(Office of Technology Transitions:OTT)は、FECMと共同で、測定、報告、検証のベストプラクティスと能力を向上させることにより、直接空気回収を含む二酸化炭素除去技術の商業化を促進するための公募(Lab Call)を行う。

[DW編集局]