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- 国・地域名:
- 米国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 国立科学財団(NSF)
- 元記事公開日:
- 2022/12/13
- 抄訳記事公開日:
- 2023/02/06
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NSF、世界最強のマグネットラボを2027年まで維持
NSF to sustain the world's most powerful magnet lab through 2027
- 本文:
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(2022年12月13日付、国立科学財団(National Science Foundation:NSF)による標記発表の概要は以下のとおり)
NSFは、国立強磁場研究所(National High Magnetic Field Laboratory:MagLab)に今後5年間でさらに1億9,550万ドルを投資する。これにより、MagLabは世界クラスの施設として維持され、研究者や科学者は世界最強のMRI装置や超伝導磁石など、さまざまな強力な機器や磁石を利用できることになる。
「NSFは、3つの協力機関およびフロリダ州との活発なパートナーシップを通じて、このユニークで世界をリードする研究施設を支援できることを誇りに思う。MagLabに対するNSFの継続的な支援は、強磁場へのアクセスの民主化を推進し、科学、工学、技術の最前線で世界的な発見を可能にし、高度なスキルを持つ多様な労働力の育成に役立つ」とパンチャナタンNSF長官は語った。
これらの強力な磁石と、MagLabにしかない専門知識・機器により、物理学、材料科学、化学、生物学、工学の分野にわたって、以下のような多くの発見が行われてきた。
▽「ラザロ超伝導(Lazarus superconductivity)」として知られる独特の現象の観測
▽21テスラのイオンサイクロトロン共鳴磁石システムによる舗装路からの化学物質の環境中への浸出の発見
▽36テスラの直列接続ハイブリッドマグネットによる結合した水分子「water wires」が細胞内で果たす役割の解明
▽希土類バリウム銅酸化物(REBCO)超伝導体で作られ、絶縁体のない4インチ未満の小型磁石による、磁場強度の記録更新MagLabは、NSF、フロリダ州立大学、フロリダ大学、エネルギー省ロスアラモス国立研究所、およびフロリダ州による共同事業である。
今回のNSFによる助成は、ユーザープログラムへの継続的支援に加え、MagLabの世界的にユニークな機器を使用した実験の成果を普及しユーザーコミュニティを拡大する新たな取り組みにも資金を提供する。
MagLabに新たに設けられた「公正でオープンな科学のためのセンター(Center for FAIR(Findable, Accessible, Interoperable, Reusable)and Open Science)」は、その機器から得られるデータが、科学界全体の利益のためにオープンに共有されることを保証し、MagLabの新タイプのユーザー、つまり高品質のデータにアクセスして独自の研究目標を達成する「データユーザー」を手助けするものである。すでにMagLabのデータは、1億6,000万年前の哺乳類の進化のRNA結合タンパク質への影響のモデル化や、タンパク質の分解を理解するための新たなアルゴリズムとソフトウェアツールの設計支援にも活用されている。
[DW編集局]