（2022年12月16日付、大統領府科学技術政策局（Office of Science and Technology Policy：OSTP）による標記発表の概要は以下のとおり）

本日OSTPは、「国家ISAM（In-Space Servicing, Assembly and Manufacturing／宇宙空間での保守・組立・製造）実施計画」を発表した。これは、「米国宇宙優先順位フレームワーク（United States Space Priorities Framework）」に沿って宇宙での能力・技術構築のあり方の概略をまとめた史上初の「ISAM国家戦略（ISAM National Strategy）」で示された戦略的ビジョンを前進させるものである。ISAM能力の開発は、バイデン政権の科学技術イノベーション、経済成長、商業開発、全米の熟練労働力、および宇宙における国際協力へのコミットメントを象徴する。

ISAM能力は、米国の産業界と労働者が宇宙で目的物を構築、修理、輸送するための新たな可能性を開く可能性を持っている。ハッブル宇宙望遠鏡や国際宇宙ステーションなどのプロジェクトは、宇宙において人間とロボットの両方によって組み立てられたのである。宇宙での保守と組立の時代は新しく、また成長しており、その可能性は無限である。

ISAMがもたらす新たな機会により、世界の宇宙事業者は、衛星の寿命を延長したり、衛星を宇宙ゴミ回避のためあるいは寿命終了後の措置として移動、牽引、または軌道から外したり、衛星の損傷を検査したり、既存の衛星の保守・燃料補給・アップグレードを行ったり、過酷な打ち上げ環境に耐える設計の必要がない、より大規模で複雑なシステムを宇宙で構築・運用したりできるようになる。

バイデン政権は、米国のリーダーシップを強化し、その利益が社会全体に広く公平に適用されることを確実にするためのISAM能力の実装に際して、市民社会、商業、および国家の安全保障に関わる宇宙活動の取組を調整している。米国のISAM宇宙活動は、気候危機など政府が取り組んでいる課題や、現在および将来の世代の機会を増やすことに貢献できる。

国家ISAM計画は、米国企業に対して、地上および宇宙での新たな宇宙経済を実現するための多目的技術を開発する力を与えた。ISAMによって可能となる機会の実現に向けた国家的アプローチ活用の道筋を示す6つの戦略的目標は次のとおりである。

（1）ISAM研究開発の推進
（2）スケーラブルなインフラ拡張の優先
（3）新興ISAM商業産業の創出加速
（4）ISAM目標達成のための国際協力・連携の推進
（5）ISAM能力の前進に伴う環境の持続可能性の優先
（6）ISAMイノベーションの潜在的な成果としての将来的な多様な労働力の創出

ISAM実施国家計画は、政府・学界・非営利団体・商業部門の利害関係者との協議を通じて策定され、米国の企業や労働者が、宇宙システムの軌道上、月周辺、深宇宙において、製造・組立・修理を行うという宇宙探査の未来において、米国がリードして行くための活動を示している。

[DW編集局]