（2023年1月10日付、大統領府の標記発表の概要は以下のとおり）

北米の3か国（米国、カナダ、メキシコ）の協力は、国をより安全にし、経済競争力を高め、サプライチェーンをより強靭にする。本日、バイデン大統領は、3か国のパートナーシップを強化し、共有する優先事項を前進させる北米首脳会議（North American Leaders’ Summit：NALS）に出席する。今年の会議では、3か国首脳は過去の成果を足場とし、新たな取り組みや発表を検討する。

3か国は、以下の取り組みにより、経済協力を深め、投資を促進し、競争力、イノベーション、レジリエンスを強化する予定である。

１．北米全域の半導体サプライチェーンに政府の政策を適応させ、投資を増加させるために、産業界と初の3カ国半導体フォーラムを開催する。
２．半導体サプライチェーンのマッピング作業を調整し、満たされていないニーズについての集団理解を深める。
３．北米の重要鉱物資源マッピングを拡大し、埋蔵量に関する詳細情報を収集する。
４．新たな北米学生移動プロジェクトの下で学生の育成と移動を増加させるために民間部門と提携する。
５．今後5年間の北米の労働力開発に必要なスキルに関するセッションの設計に向けて、半導体、ICT、バイオマニュファクチャリング、その他の主要な先進製造業および物流業界の専門家を集める。

また、3カ国はクリーンエネルギー経済の構築と気候危機への対応に向け、迅速かつ協調的で野心的な対策が急務であることを認識し、NALSにおいて、3カ国首脳は以下のような取組みを約束した。

１．固形廃棄物及び廃水からのメタン排出量を2030年までに2020年比で少なくとも15％削減する。
２．2030年までに食品ロスと廃棄物を半減させる「食品ロス・廃棄物削減行動計画」を2025年末までに策定する。
３．公共バスの電化と脱炭素化のためのベストプラクティスについて情報を共有する。
４．国をまたいでのシームレスなEV充電を確保するため、国境沿いのEV充電設備の運用基準と設置に関する計画を策定する。
５．2030年までに世界の陸地と海洋の30％を保全するという共同コミットメントを達成するための三国間協力に取り組み、伝統的知識に導かれた保全を進める。
６．北米のクリーンな水素市場を開発する。

3か国は、北米における非正規の移民に対処するため、合法的な経路の拡大やその他の人道的な措置を引き続き支持する。また、3か国は、共通の脅威である武器及び麻薬の不法取引並びに人身売買と闘うための行動及び戦略を調整することを約束するとともに、北米の動物及び新型インフルエンザ対策計画（North American Plan for Animal and Pandemic Influenza：NAPAPI）を改訂し、インフルエンザやそれ以外の脅威を含む健康安全保障の脅威に対応するための北米の能力を強化する。さらに、人種差別と闘う、多様性を備えた包括的で公平かつ民主的な社会の促進に取り組む。

[DW編集局]