（2023年1月25日付、全米科学財団（National Science Foundation：NSF）の標記発表の概要は以下のとおり）

本日、NSFと米国エネルギー省（Department of Energy：DOE）は、科学・工学研究における長年の協力を継続し、21世紀の最重要課題に対処するためのパートナーシップを強化する覚書（MOU）に署名した。本MOUは、大規模な物理実験、量子情報科学技術、科学ユーザー施設の利用に関する協力などの、これまでのNSF‐DOE間の研究パートナーシップを基礎としており、さらにバイオテクノロジー、量子情報科学・工学、人工知能、機械学習に関する協力の機会をももたらすものである。多様で包括的なSTEM人材を育成することもまた、両機関にとっての優先事項である。「半導体・科学法」（CHIPS and Science Act）の可能性を最大限に引き出すには、各連邦機関がより緊密な調整を行い、協力を強化する必要がある。本MOUは、NSFとDOEが研究開発資金の効果を増大させるという約束を履行するのに役立つ。

NSFは「科学の進歩を促進し、国民の健康・繁栄・福祉を増進し、国防を確実なものとする」ため、1950年に議会によって設立された独立連邦機関である。NSFの投資は毎年、全ての州および準州にわたる約2,000の団体を通じて約30万人に利用されている。NSFは95億ドルの2023年度予算をもって、連邦政府の支援によって米国の大学が行う基礎研究の約25%に資金提供している。数学、コンピューターサイエンス、社会科学などの多くの分野で、NSFは連邦政府による支援の主要な提供元となっている。

DOEの科学局（Office of Science）は物理科学における基礎研究の国内最大の支援機関であり、10のDOEの国立研究所を管轄し、米国のエネルギー・経済・国家の安全保障を推進するための科学的発見と主要な科学的ツールを提供することを使命としている。科学局は81億ドルの2023年度予算をもって、DOEの国立研究所と340以上の大学や高等教育機関における研究に資金を提供している。科学局からの資金提供は、28の科学ユーザー施設の3万8,000人以上のユーザーや、何千人もの学生や若手研究者を支援している。

[DW編集局]