政府は2月24日、国の「優先研究プログラム」（PEPR）の一つに採択されている、エクサスケールコンピューターの開発プロジェクト「NumPEx」（ニュムペックス）を正式にスタートさせた。投資額は当初の計画通り、6年間で4,080万ユーロとなる。

　エクサスケールコンピューターは高機能計算機の一種で、１秒間に10の18乗（＝10億×10億）回以上の浮動小数点演算を行う能力を持つ。政府は特に「医学」「気候変動と環境保護の研究」「航空・交通」「安心・安全」といった領域での応用に期待をかけるとともに、欧州各国の共同出資により高機能計算機開発を目指す「EuroHPC」プログラムが公募する、エクサスケールコンピューターのプロジェクトとして採択されることにも役立つとしている。

　「NumPEx」を採択しているPEPRは、国際競争上特に重要と認められる領域やプロジェクトの研究を国が特に選んで支援するプログラムで、22～26年の5か年投融資計画「フランス2030」を資金源とする。「NumPEx」は22年7月に採択、発表され、準備が進められていた。政府は今後、CNRS（国立科学研究センター）、CEA（原子力・代替エネルギー庁）、INRIA（国立情報科学・自動化研究所）を拠点として研究を進め、世界最先端のレベルによる技術覇権を目指したい考えだ。

[DW編集局]