[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
大統領府科学技術政策局 (OSTP)
元記事公開日:
2023/01/27
抄訳記事公開日:
2023/03/07

OSTPが気候サービスに関する公聴会を開催

Readout: OSTP Stakeholder Listening Sessions on Climate Services

本文:

(2023年1月27日付、科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy:OSTP)の標記発表の概要は以下のとおり)

バイデン大統領の「国内外における気候危機への取り組み(Tackling the Climate Crisis at Home and Abroad)」に関する大統領令(Executive Order:EO)では、地域社会が気候変動の要因に適切に対処し、増大する気候の影響に備えることができるよう、すべての米国民に対する気候情報の提供を拡大、改善する必要性が強調されている。現在、多様な気候サービスが提供されているものの、科学を国、地域、地方レベルでの計画や意思決定を支援する情報やツールへと効果的に転換し、すべてのコミュニティが気候情報に公平にアクセスできるようにするための全国規模での一貫した計画がない。

今回のEOに呼応し、OSTP、米国海洋大気庁(National Oceanic and Atmospheric Administration:NOAA)、連邦緊急事態管理庁(Federal Emergency Management Agency:FEMA)は、国家科学技術会議(National Science and Technology Council:NSTC)の支援のもと、「気候サービスに関する即時行動委員会Fast Track Action Committee on Climate Services:FTAC)」を発足させた。FTACは、他の連邦政府のパートナーと協力し、気候サービスのための国家的枠組みの開発を促し、また、全米科学・工学・医学アカデミー(National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine)と政府説明責任局(Government Accountability Office)からの提言をもとに活動している。

OSTPは2022年12月、FTACを代表して、連邦政府の気候情報とサービスのアクセシビリティ、ユーザビリティ、有用性を向上させるためのバイデン政権の取り組みに関わる利害関係者を招き、一連の公聴会を開催した。本公聴会は、議論と議論への参加を最大化するために小グループでの意見交換から構成される形とし、大学、非政府組織(NGO)、慈善団体、民間部門、州、地方、部族、地域社会の代表者がステークホルダーとして参加した。その結果、以下の4つの課題が浮かび上がった。

1.連邦政府は気候情報の信頼できる情報源であり、豊富なデータ、製品、ツールを保有しているが、その豊富さゆえに利用者が自分のニーズに合った情報を見つけにくい。
2.利用者は気候の将来変化に関する洞察を適応戦略の策定に利用するが、気候予測そのものだけでは十分ではなく、社会経済的影響に対するデータ・ツールや影響への対応策の選択肢も必要としている。
3.気候危機対応に向けて気候サービスの利用を加速するには、利用者側の能力向上が必要である。
4.連邦政府の気候情報の公平性と包括性を高めるためには、様々な機会を提供すべきである。

公聴会からのフィードバックは、EOに呼応した気候サービスの国家的枠組み報告書の作成に活用される予定であり、OSTP、NOAA、FEMAは、連邦政府のパートナーとの協力のもと、本報告書の作成に積極的に取り組む。

[DW編集局]