[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
エネルギー省(DOE)
元記事公開日:
2023/01/27
抄訳記事公開日:
2023/03/09

バイデン政権、安価なクリーン水素の技術開発に4,700万ドルを提供

Biden-Harris Administration Announces $47 Million to Develop Affordable Clean Hydrogen Technologies

本文:

(2023年1月27日付、米国エネルギー省(Department of Energy:DOE)の標記発表の概要は以下のとおり)

バイデン政権は本日、DOEを通じて、安価なクリーン水素技術の研究・開発・実証(research, development, and demonstration:RD&D)を加速するため、最大4,700万ドルの資金提供を行うと発表した。この資金を提供されるプロジェクトはコスト削減・水素インフラ強化・水素燃料電池の性能向上に取り組み、10年以内にクリーン水素のコストを1㎏あたり1ドルに削減するという同省の「水素ショット(Hydrogen Shot)」目標達成を前進させる。これによりさまざまな分野でクリーン水素の利用が加速され、2035年までに100%クリーンな電力網を実現し2050年までにネットゼロ経済を達成するという大統領の目標を支援しつつ、エネルギー安全保障を強化することが見込まれる。

ゼロまたはほぼゼロの炭素排出量で生成されるクリーン水素は、工業・化学プロセスや大型輸送など、脱炭素化が最も困難な分野における排出量削減に重要な役割を果たす。これらの分野の排出量削減は、これまで地域の大気汚染に過度に苦しんできた不遇のコミュニティにとって特に有益である。水素技術はここ数年で大きく進歩したが、クリーン水素の可能性を最大限発揮するには、大規模利用時のコスト等の課題に対処する必要がある。

DOEの水素・燃料電池技術局(Hydrogen and Fuel Cell Technologies Office:HFTO)が管理するこの資金提供は、鍵となる水素の輸送・貯蔵技術および安価で耐久性のある燃料電池技術のRD&Dに重点を置いている。燃料電池のRD&Dプロジェクトは、特に大型トラックへの応用に焦点を当て、二酸化炭素の排出を削減し、地域の大気環境に有害な排気ガスの除去を目的としている。これらの取り組みは、大統領の超党派インフラ法によって資金提供された水素関連の活動と連携して機能する。これには「地域クリーン水素ハブ(Regional Clean Hydrogen Hub)」や、電解技術を進歩させ、重要部品・物質の製造・リサイクルを改善するためのRD&Dへの今後の資金提供が含まれる。

DOEは、すべての課題分野において、協力協定(cooperative agreement)の形で資金を提供することを想定しており、各助成期間を約2年から4年としている。DOEは、申請チームに複数の技術分野にわたって学界、産業界、国立研究所の関係者を含めることを奨励している。また、マイノリティ支援機関、労働組合、コミュニティカレッジおよび「オポチュニティ・ゾーン(Opportunity Zones)」[編集局注:低所得地域への特定の投資に税制上の優遇措置を与える制度]を通じて連携したその他の団体など、多様な組織からの参画を含めることも推奨している。

[DW編集局]