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- 国・地域名:
- 米国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- エネルギー省(DOE)
- 元記事公開日:
- 2023/01/30
- 抄訳記事公開日:
- 2023/03/10
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DOE、炭素汚染の削減技術に1億3,000万ドル以上を投資
DOE Invests More Than $130 Million to Lower Nation’s Carbon Pollution
- 本文:
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(2023年1月30日付、米国エネルギー省(Department of Energy:DOE)の標記発表の概要は以下のとおり)
DOEは本日、二酸化炭素(CO2)汚染を削減する炭素管理技術の広範な展開を進める33の研究開発プロジェクトに1億3,100万ドルを提供すると発表した。このプロジェクトは、発電所や産業施設から、あるいは大気から直接CO2を回収する技術的な課題に取り組み、可能性のあるCO2貯留サイトを評価し、商業運用に向けて前進するサイトの数を増大させるものである。商業的なCO2貯留能力と関連する炭素管理関連産業の拡大は、地域社会や労働者に経済的機会をもたらし、2050年までに温室効果ガスのネットゼロ排出を達成するという大統領の目標に資するものである。
炭素汚染の増加は、干ばつや洪水のリスクを高め、農業、健康、水の供給を危険にさらしている。炭素回収技術は発電所や産業施設などの発生源でCO2を回収・貯留することによりCO2排出を管理するものであり、貯留を伴う直接空気回収などのCO2除去は大気から直接CO2汚染を除き、CO2濃度を下げ、気候変動の影響を軽減する。炭素回収と炭素除去の両方が、年間数億トンの規模でCO2濃度を低下させる可能性がある。
上記33の研究開発プロジェクトは以下の2種類の助成に区分され、DOEの国立エネルギー技術研究所 (National Energy Technology Laboratory:NETL) がプロジェクトを管理する。
▽カーボン・マネジメント助成(Carbon Management Awards)
22のプロジェクトに3,800万ドルが投資される。発生源または大気からCO2を回収し、永久に地層に貯留する、または燃料や化学品などの有用な製品に変換する技術を開発する。プロジェクトは環境や地域社会に与える影響を調査しつつ、商業的な実現可能性と技術的な課題を検証する。また選定されたプロジェクトは、大気中からCO2を回収し大規模に永久貯留する際のコストをCO2 1トン当たり100ドル未満にするというDOEの「カーボン・ネガティブ・ショット(Carbon Negative Shot)」の目標達成を支援するものである。▽カーボン・セーフ助成(CarbonSAFE Awards)
11のプロジェクトに9,300万ドルが投資される。陸および海の商業規模の貯留施設を、安全かつ効率的に、そして安価に評価する方法の開発を目指すものである。プロジェクトは、累積で5,000万トン以上のCO2を貯留する可能性のある地中貯留サイトの開発を目指すDOEの「カーボン・セーフ(Carbon Storage Assurance Facility Enterprise:CarbonSAFE)」イニシアチブの「フェーズⅡ-貯留コンプレックス・フィージビリティ(Storage Complex Feasibility)」の下で選定された。当該助成の担当局であるDOEの化石エネルギー・炭素管理局(Office of Fossil Energy and Carbon Management:FECM)は、発電と工業生産の脱炭素化、大気中のCO2除去、および化石燃料の生産と使用による環境影響の軽減のための研究・開発・実証・展開プロジェクトに資金を提供している。その優先技術分野には、炭素回収、炭素変換、CO2除去、CO2の輸送と貯留、炭素管理を伴う水素生産、メタン排出削減および重要鉱物の生産が含まれる。
[DW編集局]