2023年2月7日付、首相官邸発表のポリシーペーパーによると、スナク首相は以下の4つの省庁再編を実施した。

■エネルギー安全保障・ネットゼロ省（Department for Energy Security and Net Zero：DESNZ）の新設
・今冬、来冬、そして長期的にエネルギー供給の安全を確保し、エネルギー料金を引き下げ、インフレを抑える。
・法的拘束力のある炭素予算とネットゼロの取り組みを確実に達成できるようにする。
・ネットワーク基盤構造とグリーンエネルギーの提供を大幅に加速することで、経済成長を支援する。
・家庭、企業、公的機関の建物のエネルギー効率を改善する。
・「エネルギー法案」を通過させる。

■科学・イノベーション・技術に特化した省（Department for Science, Innovation and Technology：DSIT）」の設置
・公的研究開発投資を最適化して、英国が相対的に強い領域を支援し、民間研究開発のレベルを上げて、英国経済を世界で最も革新的なものにする。
・発見を起業、成長、雇用に結びつけるべく多様な研究・イノベーション・システムを促進する。
・NHSや学校など公共サービス全体のイノベーションを支援する。
・統合レビュー（Integrated Review）に沿って科学技術に関する国際協力を強化する。
・国民、特に子供たちのオンラインでの安全を守るべく、オンライン安全法改正案（Online Safety Bill）の残りの部分を通過させる。
・競争を促進し、イノベーションを促進するための主要な立法および規制改革を実現する。

本省は、英国研究・イノベーション機構（UKRI）の所掌を引き継ぎ、UKRIは、引き続き研究開発への最大かつ最重要な資金提供機関である。

■ビジネス・通商の統一（Department for Business and Trade）」
・経済界全体に経済成長の機会を提供する。
・金融へのアクセス改善、事業に資する規制システムの提供により、企業を支援する。
・インドやその他の優先パートナーとの質の高い自由貿易協定などを通じて、グローバルな舞台で英国のビジネスを促進し、高価値の投資を呼び込む。
・消費者を保護しながら、成長を支えるべく競争市場を促進し、市場を歪める慣行に対処する。
・自由貿易を擁護する。
・経済安全保障とサプライ チェーンの回復力を確保する。
・Brexitによる自由を最大限に活用し、不必要な規制の負担を取り除くことにより、経済成長とイノベーションを支援する。
・「維持されたEU法案（撤回・改革）〔Retained EU Law（Revocation and Reform）〕」やストライキ法案〔Strikes (Minimum Service Levels) Bill)〕など主要法案の提出を行う。

■文化・メディア・スポーツへの焦点化　(Department for Culture, Media and Sport　(DCMS）
・世界をリードする文化的・創造的産業の振興を支援する。
・21世紀にふさわしい放送・メディアシステムを構築する。
・草の根スポーツへの投資を増やすことで参加の機会を増やし、サッカーのガバナンスを改革する。
・ギャンブル法の見直しを完了し、英国を世界で最も安全なギャンブルの場所にする。
・「全国青少年保証 (National. Youth Guarantee)」を実施し、若者がより多くの活動、家から離れた場所への旅行、ボランティア活動の機会にアクセスできるようにする。

[DW編集局]