[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
科学技術政策局(OSTP)
元記事公開日:
2023/02/22
抄訳記事公開日:
2023/03/17

OSTPとエレン・マッカーサー財団による循環型経済イノベーションに関する円卓会議

Readout of the White House Circular Economy Innovation Roundtable

本文:

(2023年2月22日付、大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy:OSTP)の標記発表の概要は以下のとおり)

本日、OSTPとエレン・マッカーサー財団(Ellen MacArthur Foundation)は、バイデン政権の「ネットゼロ・ゲームチェンジャー・イニシアチブ(Net-Zero Game Changers Initiative)」の5つの優先事項の1つである「ネットゼロ循環型経済に向けた工業製品と燃料のイノベーション」を加速する方法を検討する円卓会議を主催した。この会議では、企業、政策、地域社会およびその他の利害関係者グループから主要なイノベーターが招集され、ネットゼロ排出を可能にする産業の脱炭素化と循環型経済のためのゲームチェンジング・イノベーションに関する重要な機会と課題について話し合われた。

議論の結果、ネットゼロ経済で材料を生産するには、以下のことが必要であるとされた:

▽革新的な化学の進展
▽再利用、修理およびリサイクルに意識的な人々向けに、従来と同等またはより良いサービスを提供する製品やシステムの設計
▽より循環的なサプライチェーンの構築
▽基準の設定、透明性の向上、材料のストックとフローの追跡、ライフサイクル全体への影響評価のための方法の新たな開発および改善
▽環境、経済的繁栄、国家安全保障のための循環型経済の利点を重視する新たなビジネスモデルや政策の策定

ネットゼロ循環型経済のイノベーションにより、人と環境に適した雇用をもたらす次の産業革命が推進される。この新産業革命は、自然に逆らわず、自然とともに生き、循環性と公平性を備えた形で構築される。

円卓会議で浮かび上がった循環型経済イノベーションのテーマは、以下のとおり。

1)循環型経済のイノベーションは、脱炭素化やネットゼロの目標だけでなく、経済成長や雇用、環境正義、汚染の終結、安全なサプライチェーンおよびその他の米国にとって重要な優先事項にも貢献できる。
2)米国における循環型経済イノベーションは、合成樹脂に代わる堆肥化可能なバイオ素材の利用、リサイクル可能な材料を分別するAI支援ロボット、リサイクルの前に装置の寿命を延ばすための再利用・転用・再製造、廃水の浄化と再利用、バッテリー・磁石・電子機器に含まれる重要物質のリサイクルによる国内サプライチェーンのセキュリティ強化など、さまざまな形態をとっており、地域社会ベースのプログラムから企業の中核戦略まであらゆるものがある。
3)循環型経済を構築する上での不足を補うには、システムに関するイノベーションと実験が必要である。例えば、貴重な材料の追跡や製品ライフサイクルの管理のための「製品パスポート」の開発や、経済をより循環的にすることで得られる幅広いメリットを重視する政策の策定などがある。
4)より循環的な経済を構築する機会を拡大するためには、新たな材料や製造プロセスの開発に関わる基礎研究から、人々の参加を拡大するためのシステムレベルでの社会的なイノベーションに至るまで、全体にわたってイノベーションが必要である。

[DW編集局]