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- 国・地域名:
- 米国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 国立科学財団(NSF)
- 元記事公開日:
- 2023/02/19
- 抄訳記事公開日:
- 2023/03/20
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NSF、オーストラリアと共同で、責任ある倫理的な人工知能の開発に取り組む
New NSF-Australia awards will tackle responsible and ethical artificial intelligence
- 本文:
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(2023年2月19日付、国立科学財団(National Science Foundation:NSF)の標記発表の概要は以下のとおり)
NSFは、オーストラリアの国立科学機関であるCSIRO(オーストラリア連邦科学産業研究機構/Commonwealth Scientific and Industrial Research Organisation)と共同で、パンデミックへの備え、干ばつに対する回復力、有害な環境排出など、社会的課題に対する責任ある倫理的な人工知能(AI)によるソリューションの研究を加速するため、米国側で180万ドル、オーストラリア側で230万ドルとなる助成金を発表した。
責任ある倫理的なAIに対する懸念は、AI活用技術の利用可能性が拡大するにつれ、急激に高まっている。NSF-CSIROパートナーシップによる助成は、AIアルゴリズムとその展開がすべての市民にとって安全・公正・有益であることを保証する倫理的枠組み、そして最終的にはガイドラインの確立に貢献することが期待されている。
今回の採択では、米国とオーストラリアの研究者は以下のテーマに取り組む。
1.干ばつへのレジリエンス、ネットゼロ目標、感染症へのレジリエンス
▽公平な順次的・集合的意思決定(Fair Sequential Collective Decision-Making)
干ばつ、有害な環境排出および感染症に対して責任ある公正かつ公平なソリューションを可能にする、AIに基づくアプローチの開発を目的とするプロジェクトである。AIは、水資源の公平な配分、非化石燃料車の燃料補給所の最適配置、ワクチンなどの医療用品の供給の決定に活用される予定である。
米国からネブラスカ大学リンカーン校とレンセラー工科大学が、オーストラリアからニューサウスウェールズ大学が参加する。2.感染症レジリエンス
▽感染症流行予測のためのAIモデルにおけるバイアス理解(Understanding Bias in AI models for the Prediction of Infectious Disease Spread)
パンデミックの予防と対応に向けた、AIに基づくモデリングと感染拡大予測の偏りを緩和することを目的とするプロジェクトである。偏りのあるデータがどのように偏りのあるAIソリューションを導くかを調べ、さまざまな公平性の指標をAIの最適化手順に組み込む方法についても研究する予定である。
米国からエモリー大学、アリゾナ州立大学、およびジョージメイソン大学が、オーストラリアからニューサウスウェールズ大学と RMIT 大学が参加する。▽危機対応時の公正なチーム編成のためのグラフ表現学習(Graph Representation Learning for Fair Teaming in Crisis Response)
科学界が歴史的なパンデミックにどのように対応してきたかを理解し、公正なチーム編成ソリューションを通じて将来のパンデミックへの対応を改善することを目的とするプロジェクトである。平等で包括的な作業環境を提供できるグローバルな科学コミュニティを確立するための公正なAIモデルを開発する予定である。
米国からUCLAとテキサス大学オースティン校が、オーストラリアからシドニー工科大学とメルボルン大学が参加する。 [DW編集局]