[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
大統領府
元記事公開日:
2023/02/23
抄訳記事公開日:
2023/03/23

マクロ経済予測への気候リスクの反映に関する会議の報告

Readout of Convening on Blue Chip Climate-Risk Macroeconomic Forecasts

本文:

(2023年2月23日付、大統領府による標記発表の概要は以下のとおり)

昨日、大統領経済諮問委員会(Council of Economic Advisers:CEA)、国家経済会議(National Economic Council)、大統領府の行政管理予算局(Office of Management and Budget:OMB)、クリーンエネルギーイノベーション・実装局(Office of Clean Energy Innovation and Implementation)、および気候政策局(Climate Policy Office)は、民間部門、政府、そして学界のエコノミストを集めて、「ブルーチップ気候リスク・マクロ経済予測(Blue Chip Climate-Risk Macroeconomic Forecasts)」に関する会議を開催した。この会議は、気候変動の物理的、および移行的リスクをマクロ経済予測に組み込むことに関し官民共同の実践コミュニティを構築するために招集されたものであり、その目標は以下の3つである。

1.気候リスクをマクロ経済予測に組み込むためのベストプラクティスと新たな方法論を特定する
2.重要なデータギャップや不足しているモデリング能力を特定するために開発・検討された方法論を共有する
3.政策立案において民間部門による気候関連マクロ経済リスク評価・管理に関する情報の可視性を高め、また逆に民間部門における政府情報の可視性を高める。

上記の目標は気候変動とそれに対処するために必要な政策対応がマクロ経済にとっての第一のリスクである、という中心的課題により導かれた。エネルギーシステムの変革は投資の方法、時期、場所に関する根本的な転換を伴い、気候変動の物理的リスクは経済成長の軌道と構成を変化させる。気候変動によるリスクの規模を考えると、経済全体へのその影響をより良く理解し、管理することが重要である。さらに、気候リスク予測における透明性と協力体制の確保は、予測の精度と信頼性の向上に役立つ。これにより、ネットゼロの世界と安定した公正な経済へのスムーズで管理された移行を確実にする政策策定のための、より強力な基盤が提供される。

バイデン政権はこのような課題を認識しており、バイデン大統領が就任直後に署名した気候関連の金融リスクに関する大統領令は、CEA、OMB、および財務省に、大統領予算の経済的前提や長期予算見通しに気候変動の物理的および移行的リスクを取り入れる方法を開発するよう指示したものであった。CEAとOMBは、省庁間技術作業部会(Interagency Technical Working Group ITWG)を主導して、マクロ経済予測に気候リスクを取り入れる方法を開発してきた経緯がある。

今回の招集は、マクロ経済の気候リスク分析を取り巻く官民の実践コミュニティを構築するための最初の一歩となる。

[DW編集局]