[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
公共投資銀行
元記事公開日:
2023/03/15
抄訳記事公開日:
2023/03/23

公共投資銀、製造支援の新基金を創設

Bpifrance renforce son soutien à l’industrie française en lançant le fonds Bpifrance Amorçage Industriel, d’un montant de 50 M€, pour accompagner les jeunes entreprises industrielles innovantes sur des marchés déjà matures

本文:

 フランス公共投資銀行は15日、製造業に乗り出す企業の支援を目的とした、5,000万ユーロ規模の新しい基金を創設した。特に新興企業を後押しして国全体の製造力を高めるとともに、民間投資を呼び込むための波及効果を狙う。

 新しい基金は「製造業スタートのための公共投資銀ファンド」(Fonds Bpifrance Amorçage Industriel、FBAIファンド)。今年の第2四半期からの資金供給開始を予定している。製造に取り組むスタートアップ企業の支援を想定しているが、単に特異な技術や高度なノウハウを伴う技術を持っているというだけでなく、他社との差別化を図る能力が高く、フランス国内での製造活動を行おうとする企業が対象となる。

 このような企業は、同銀が把握しているだけでも、22年末時点で国内に400社以上あるが、その多くが資金繰りに苦慮しているとされ、特に製造ラインのプロトタイプ化や最初の工場建設のための資本が難関になっているとみられる。同銀が調査した企業のうち、21年に資金調達できた企業は全体の40%にも満たず、また合計150万ユーロを集めた企業も全体の50%のみだったという。

 これまでも同銀は、2,500万ユーロの基金を設け、政府の5か年投融資計画「フランス2030」にもとづく、スタートアップと中小製造企業の支援計画(政府が22年1月に発表)を推進。革新的な製造拠点を30年までに100か所作る目標に取り組んできたが、今回のFBAIファンドにより、こうした支援の取り組みをさらに強化することになる。

 同銀でイノベーションを担当するポール=フランソワ・フルニエ上級執行役員は「イノベーションを積み重ねて製造業に発展する事例は、いわゆる革新的イノベーションよりも要する時間が短いうえに、投資リスクも小さい。にもかかわらず、こうした企業は民間からの投資がまだ十分とは言えない。こうした企業へのファンドを作ることで、国の製造力強化を支えていきたい」とコメントしている。

[DW編集局]