（2023年2月8日付、ドイツ連邦教育研究省（BMBF）の標記報道発表の概要は以下のとおり）

連邦政府は、ドイツが今後も進歩と革新の国であり続けるために、BMBFのリーダーシップの下、全ての省庁を横断して、科学技術・イノベーション政策の基本となる「研究とイノベーションのための未来戦略」を策定した。本戦略により、連邦政府は、今後数年間の研究とイノベーションの目標、マイルストーン、優先順位を定めた。気候変動、生物多様性の危機、環境汚染、貧困削減、持続可能な開発といった現代の主要な社会的・地球的課題に取り組む。

■連邦政府のイノベーション政策目標

この新たなイノベーション戦略では、以下の3つの包括的な目標を設定している：
1. 技術のリーダー的地位：特定の分野での技術的リーダーシップの維持・拡大、他の分野でのリーダーシップの獲得
2. 研究成果の移転促進：科学で得られた革新的なソリューションを人々の生活に役立たせる技術移転の強化
3. オープン性の強化：社会のあらゆる分野でのテクノロジーに対するオープン性の強化による、課題に対するソリューション提供の促進

■科学、研究、技術移転

連邦政府は、本戦略により研究とイノベーションの枠組み条件を改善するための適切なガイドラインを策定している。優れた基礎研究に加えて、実践的な応用研究も推進する。知識の戦略的移転は、その後に続くものであり、研究の成果は知識が移転されて初めてイノベーションにつながるからである。グローバルな課題への答えを見つけるには、欧州連合だけでなく、他の国際的・地域的な協力も必要である。

■変革プロセスの積極的形成

社会が直面している課題を考慮して、連邦政府は6つの中心的なミッションを定義した。これらの分野では、研究・イノベーションの政策が他の政策分野とよりよく関連し、すべての省庁の活動がより効果的に集約される。これらのミッションのために、資源に配慮した経済とモビリティ、気候保護と生物多様性の保全、健康、デジタルと技術主権、宇宙と海洋研究、社会的レジリエンスの分野において、変革の道筋を特定し、必要な行動と優先順位を明確にしている。

■コミュニケーション、交流、参加の促進

直接的な市民の参加と協働によって効果が倍増する。連邦政府は、研究の成果を報告し、本戦略の進捗状況について議論し、市民にアイデアや欲求の提示を促すような多数の機会を設ける予定である。

[DW編集局]