[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
ギルド(The Guild)
元記事公開日:
2023/02/22
抄訳記事公開日:
2023/03/30

Horizon Europeの中間評価に対するギルドの提言

The Guild’s recommendations for Horizon Europe’s interim evaluation

本文:

(2023年2月22日付、ギルド(The Guild:16カ国にある欧州で最も著名な研究集約型大学21校で構成する団体)の標記発表の概要は以下のとおり)

ギルドは、Horizon Europeのすべての柱を対象とする中間評価に対する包括的な貢献を行う立場で、EUレベルでの研究・イノベーションへのさらなる投資の必要性を強調するとともに、枠組みプログラムの資金提供においては、好奇心駆動型の基礎研究と、挑戦志向の研究や市場に近い技術開発との間で、より適切なバランスをとるよう求めている。

「卓越した科学(Excellent Science)」の柱への資金提供は、全体的にも相対的にも増強する必要がある。同柱のプログラムの一つである欧州研究会議(ERC)は、Horizon Europeとその前身組織の中で最も成功した部門の1つであり、科学的、社会的、経済的、文化的な効果において比類のない実績を持っているため、卓越した科学の柱の資金増は不可欠である。ギルドはまた、意思決定機関としての科学会議(Scientific Council)の自律性を引き続き尊重することを求め、一括払い(lump sum)モデルが支払方法として適切かどうかを検討する際には、慎重なアプローチをとることを推奨する。さらに、ギルドは、欧州における研究キャリアの魅力と持続可能性を強化するというEUの取り組みを、マリー・スクウォドフスカ・キュリー・アクション(MSCA)への投資増につなげるよう提言する。

Horizon Europeの第2の柱、「社会課題解決」については、グローバルな課題に取り組む際に、基礎研究から実験的開発まで、研究開発活動のすべてのカテゴリーにわたって真のバランスを達成することが不可欠である。このバランスはHorizon Europeを定める規則で合意されているが、現在、この柱はこれを実施するには不十分であり、市場に近い開発活動に資金が偏っている。

「革新的な欧州」の柱に関しては、欧州イノベーション会議(EIC)と欧州イノベーション・技術機構(EIT)が、イノベーション・エコシステムへの研究集約型大学の関与をより適切に支援する必要があることを強調する。これは、その手段が(目的と範囲に関して)明確で、透明性があり、大学にとって実行可能であることを意味する。ギルドは、強力な研究・イノベーション・パートナーとの連携を世界中、特にスイスと英国で推進している。同様に、Horizon Europeの「アフリカ・イニシアチブ」の継続と、「グローバル・ゲートウェイ」戦略との相乗効果の拡大を強く推奨する。

研究・イノベーションパフォーマンスの格差縮小措置については、参加国拡大施策(Widening Instrument)のモニタリング強化を求める。ギルドは、各種拡大ツールが互いにどのように関連しているか、それらの最終的な目的が何であるかについて、より明確な説明を求める。特に補完的な資金提供を必要とする施策については、構造基金との相乗効果にさらに取り組む必要がある。

[DW編集局]