[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国土安全保障省(DHS)
元記事公開日:
2023/02/21
抄訳記事公開日:
2023/04/05

DHSが科学技術に関する「部族コミュニティイニシアチブ」を立ち上げ

S&T Launches a New Tribal Community Affairs Initiative

本文:

(2023年2月21日付、国土安全保障省(Department of Homeland Security:DHS)科学技術総局(Science and Technology Directorate:S&T)の標記発表の概要は以下のとおり)

[編集局注:本発表は、DHSのS&T次官であるディミトリ・クスネゾフ博士(Dimitri Kusnezov, Ph.D.)の名前で出されたものである。]

米国は多様な考え方や背景を持つ人種のるつぼであるが、その起源である「ファースト・ネーション(First Nations)」は現在では連邦政府によって承認された578のアラスカ先住民族の村やアメリカンインディアンの部族政府から構成されている。このたびDHSのS&Tは、「部族コミュニティイニシアチブ(Tribal Community Affairs Initiative)」を設立した。S&Tは、地域、部族、準州、州、連邦のファースト・レスポンダーや、彼らをあらゆる段階の研究開発に関与させるその他パートナーから意見収集や協力を行ってきた長い歴史を持つが、本イニシアチブの立ち上げにより、これまで以上にS&Tとファースト・ネーションとの政府間の相互協力を強化する。

私は、今年1月、ナバホ族の新しい指導者の就任式に出席し、ディネ・カレッジとナバホ工科大学の代表者と会い、イノベーション、STEM、サイバーセキュリティ、ブロードバンド、水の安全保障、特別保留地のファースト・レスポンダーの訓練など、幅広いテーマについて協議した。

S&Tは現場のレスポンダーの最優先ニーズをくみ取るためボランティアグループである「ファースト・レスポンダー・リソースグループ(First Responder Resource Group:FRRG)」*を擁しており、FRRGを通じても部族コミュニティに関与している。チェロキー族の保安官局長であるシャノン・ブール(Shannon Buhl)は長くFRRGのメンバーである。

コロナ・パンデミックの間、S&Tと連邦緊急事態管理庁(Federal Emergency Management Agency:FEMA)は、部族コミュニティのパートナーと協力し、重要な公衆衛生上の通知にすべての人がアクセスできるようにした。ナバホ族は、無線緊急通報を送信した最初の部族国家となり、それ以来、部族コミュニティからのフィードバックは、警報・警告・通知プログラム計画ツールキットの開発に不可欠なものとなった。このツールキットは、連邦政府、州政府、部族政府、地域政府からの意見をもとに設計され、国内各地の当局が強固な警報プログラムを策定するのに役立っている。

これらは、S&Tの部族コミュニティへの支援や関与の一例にすぎない。このイニシアチブを成功させるためには、献身的なリーダーシップが必要だと考え、新たに「部族コミュニティディレクター(Director of Tribal Community Affairs)」を設け、S&Tエグゼクティブディレクター兼シニアアドバイザーであるキャシー・クロス(Cathi Cross)が現在この役職に就いている。

*編集局注: 120名の現役・引退レスポンダーから構成されるS&Tの組織であり、S&Tの研究開発の方向性を導く。

[DW編集局]