[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
エネルギー省(DOE)
元記事公開日:
2023/02/23
抄訳記事公開日:
2023/04/07

バイデン政権、全米地域社会の汚染削減と経済振興に25億ドルを拠出

Biden-Harris Administration Announces $2.5 Billion to Cut Pollution and Deliver Economic Benefits to Communities Across the Nation

本文:

(2023年2月23日付、米国エネルギー省(Department of Energy:DOE)の標記発表の概要は以下のとおり)

本日、バイデン政権は、DOEを通じて、革新的な炭素回収システムおよび炭素輸送・貯蔵技術を促進する2つの炭素管理プログラムに、25億2,000万ドルを拠出すると発表した。このバイデン大統領の超党派インフラ法によって資金提供される「炭素回収大規模パイロットプログラム(Carbon Capture Large-Scale Pilots)」と「炭素回収実証プロジェクトプログラム(Carbon Capture Demonstration Projects Program)」は、発電や停止し難い生産工程からの二酸化炭素 (CO2) 排出を大幅に削減し、2050年までにネットゼロ経済を実現するという大統領の目標達成に不可欠な取り組みである。

これらの新プログラムは、炭素管理技術の実証と普及を加速させるとともに、製造業での高収入雇用の創出、より健康的な地域社会実現のための汚染削減、そして将来のクリーンエネルギー技術における米国の国際競争力強化を掲げるバイデン政権の取り組みを支えるものである。

米国の炭素排出量の大部分を発電と産業部門が占めており、特に脱炭素化が困難な分野や鉄鋼・セメント生産などの重工業において炭素管理技術を普及させることは極めて重要である。また、これらの技術は、有害な温室効果ガスの排出を削減するだけでなく、地域経済を活性化させながら全米の地域社会にクリーンな空気やその他の環境上のメリットをもたらす。

2つのプログラムの概要は、以下のとおりである。

1.炭素回収大規模パイロットプログラム
この資金提供には、革新的な炭素回収技術のリスク低減と、電力および産業部門の炭素排出源における商業規模の実証実験への追加投資の促進に焦点を当てた、最大10件のプロジェクトに対する最大8億2,000万ドルの資金が含まれる。過去20年間の研究開発から新たな炭素回収技術が生まれつつあり、本プログラムの資金提供はこれらの技術の試験、普及を支援するものである。

2.炭素回収実証プロジェクトプログラム
本プログラムでは、CO2輸送や地中貯留インフラと統合された商業規模の炭素回収技術を実証する約6件のプロジェクトに、最大17億ドルの資金を提供する。発電所や、セメント、パルプ・紙、鉄鋼などの主要な炭素排出源で容易に再現、展開できる実証プロジェクトへの資金拠出に重点を置いている。

申請者は、プロジェクトが配置される地域社会への有意義な関与と具体的な恩恵を具体的に説明するため、「地域社会恩恵計画(Community Benefits Plans)」を提出する必要がある。この計画には、地域社会と労働者への関与、質の高い雇用創出、多様性、公平性、包摂性、アクセス性、および「Justice40イニシアチブ」の一環としての、不利な立場にある地域社会の恩恵に対する取り組みを詳述する必要があり、採択後はそのような活動の内容と結果を報告することが求められる。

DOEは、将来、これらのプログラムに追加資金を拠出する可能性がある。フロントエンドのエンジニアリング設計研究を実施しているプロジェクトに対して、3回目の炭素回収実証に関する資金調達を実施することを見込んでいる。

[DW編集局]