[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国立科学財団(NSF)
元記事公開日:
2023/03/15
抄訳記事公開日:
2023/04/13

バイデン政権、クリーン水素技術の推進に7億5,000万ドルを拠出

Biden-Harris Administration Announces $750 Million to Advance Clean Hydrogen Technologies

本文:

(2023年3月15日付、米国エネルギー省(Department of Energy:DOE)による標記発表の概要は以下のとおり)

 バイデン政権は本日、DOEを通じて、クリーン水素のコストを劇的に削減するための研究・開発・実証に7億5,000万ドルを拠出すると発表した。この資金提供は、バイデン大統領の超党派インフラ法に基づく15億ドルの支出の第一弾であり、電気分解技術の進歩や製造・リサイクル能力の向上を目的とし、クリーン水素の利用促進という政権の包括的アプローチの重要な要素として、この10年間で商業規模の水素普及を実現する上で重要な役割を果たすものである。ネットゼロで生産されるクリーン水素は、新興のクリーンエネルギー経済の重要な柱であり、2035年までに100%クリーンな電力網を、また2050年までにネットゼロを実現するという大統領の目標達成に不可欠である。

 今回資金提供を受けるプロジェクトは、DOEの水素・燃料電池技術局(Hydrogen and Fuel Cell Technologies Office:HFTO)によって管理され、規模だけでは克服できないコスト削減の根本的な技術的障壁に取り組み、低コストかつ高性能な技術によって商業規模でのクリーン水素利用展開を長期的に可能とする。コスト削減目標の達成によって、クリーン水素の新たな市場が開かれ、クリーンエネルギーに関わる雇用が増え、有害な温室効果ガスの排出が削減され、世界のクリーンエネルギー市場における米国の長期的な競争力が強化されることが見込まれる。

 本出資は、地域のクリーン水素ハブ(H2Hubs)、インフレ抑制法における税制優遇措置、およびDOEの「水素プログラム(Hydrogen Program)」で現在進行中の研究・開発・実証とともに、10年以内にクリーン水素を1kgあたり1ドルで生産するというDOEの意欲的な「水素ショット(Hydrogen Shot)」目標達成に寄与するものである。また、持続可能なクリーン水素経済を実現することで、地域社会における有害な排出削減に役立ち、特に、地域の大気汚染で長期にわたり苦痛を強いられてきたコミュニティにとって有益となる。

 DOEは今回の助成について履行期間約2~5年の協力協定の形で複号的な資金援助を行うことを想定している。申請チームには複数の技術分野にわたる学界、産業界、国立研究所内のステークホルダーを含めることを推奨している。また、少数民族支援組織、労働組合、部族国家、コミュニティカレッジ、「オポチュニティゾーン(Opportunity Zones)」を通じてつながりのあるその他の団体など、多様な関係者を含むチームによる申請も推奨している。

[DW編集局]