[本文]
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- 国・地域名:
- 米国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 大統領府科学技術政策局(OSTP)
- 元記事公開日:
- 2023/03/13
- 抄訳記事公開日:
- 2023/04/13
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バイデン大統領、2024年度の科学・技術・イノベーション投資予算案を発表
- 本文:
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(2023年3月13日付、大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy:OSTP)による標記発表の概要は以下のとおり)
バイデン大統領の2024年度予算案には連邦政府による研究開発投資としては過去最大となる2,100億ドルが含められた。この予算案は、基礎および応用研究に1,000億ドルを超える資金を提供し、また医療高等研究計画局(Advanced Research Projects Agency for Health:ARPA-H)、国立科学財団(National Science Foundation:NSF)、国立標準技術研究所(National Institute of Standards and Technology:NIST)など、今日的課題に対処するために必要な大胆で新しいアプローチや投資を支援するものでもある。
大統領のこの歴史的なコミットメントは、科学・技術・イノベーションとそれを推進する人々が、すべての国民に健康と豊かな経済的機会を提供し、気候危機に対処してクリーンエネルギーへの転換を進め、将来の産業創造に投資し、世界の安全と安定を前進させるという大きな国家目標を達成するための鍵である、という認識を示している。
[編集局注:以下では元記事で示された大統領の予算案の概要から特に主だった予算に絞って紹介する]
▽イノベーションの促進に向けた新たな連邦R&D組織への支援
・NSFの技術・イノベーション・パートナーシップ局(Directorate for Technology, Innovation and Partnerships:TIP)へ12億ドル:科学研究を加速してイノベーション・産業・雇用につなげる
・ARPA-Hへ25億ドル:革新的な健康研究の推進やがんなどの疾病対策の加速を行う▽イノベーションと新興技術への歴史的な投資
・「半導体・科学法」の認可を受けた活動に250億ドル、うち210億ドルはNSF、エネルギー省科学局(Office of Science)、NISTの主要3機関に配分:先端製造業、先端ワイヤレス、人工知能、バイオテクノロジー、マイクロエレクトロニクスと半導体、量子情報科学など、将来の産業における米国の優位性維持のための活動(NSF)や、AI、量子情報科学、マイクロエレクトロニクス、アイソトープ製造などの最先端研究(エネルギー省科学局)などを支援する▽気候科学と最先端のクリーンエネルギーイノベーションへの歴史的な投資
・気候変動の理解や適応能力と強靱性向上の手段を提供する研究に51億ドル
・クリーンエネルギーにおける米国の主導権を再構築する革新的技術の開発に113億ドル以上▽生命科学と生物医学の研究、公衆衛生の体制整備
・国立衛生研究所(NIH)へ486億ドル、うち78億ドルは国立がん研究所によるがんムーンショット(Cancer Moonshot)への支援
・バイオメディカル先端研究開発機構(Biomedical Advanced Research and Development Authority)[編集局注:保健福祉省傘下の独立組織。COVID-19パンデミックに際して重要性と功績が再評価され、2022年夏に保健福祉省内局の一部門から、NIH等と同格となる保健福祉省の一部門(Operating Division)に格上げされた]へ10億ドル:革新的な医療対策を開発する
・保健福祉省の傘下機関へ200億ドル:公衆衛生上の備えとバイオディフェンスの優先事項を推進する▽がんムーンショット目標の推進
・保健福祉省内の5機関のムーンショット活動へ17億ドル
・退役軍人省、国防省、農務省、環境保護庁、米国航空宇宙局へ11億ドル▽地域の技術イノベーションと雇用創出の促進
・NSFの地域イノベーションエンジンプログラム(Regional Innovation Engines)へ3億ドル:全国の州および地方政府、高等教育機関、労働組合、企業、コミュニティベースの組織を結集し、用途に応じた研究、技術移転、労働力開発を活性化させる▽科学、技術、工学、数学 (STEM) 関連の労働力と組織的能力の拡大、STEMにおける人種とジェンダーの平等の推進
・STEM教育と労働力開発の促進を行うNSFの取り組みに14億ドル▽防衛研究開発と防衛技術産業基盤の支援
・国防高等計画研究機関(DARPA)へ44億ドル:国家安全保障のための画期的な技術開発に投資する [DW編集局]