[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
大統領府科学技術政策局(OSTP)
元記事公開日:
2023/03/22
抄訳記事公開日:
2023/04/19

OSTP、気候科学を推進し、意思決定を支援する新たなリソースを発表

FACT SHEET: The White House Office of Science and Technology Policy Releases New Resources to Advance Climate Science and Support Decision Making

本文:

(2023年3月22日付、大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy:OSTP)による標記発表の概要は以下のとおり)

本日、OSTPは、気候に関わる科学と知識を進歩させ、気候変動の影響に対処し、地域社会における気候レジリエンスを構築するため政府のあらゆるレベルのリーダーを支援する新たなリソースを発表した。

国連の気候変動に関する政府間パネルは今週、気候危機に対処し、その影響に対応するための行動が急務であるとする報告書を発表していた。本日発表した5つのリソースは、地域社会、企業および政策立案者が、最新の科学的根拠に基づいて、現在および将来の気候変動影響への対応策が取れるようにするものである。

これらのリソースの概要は、以下のとおりである。

▽最新の科学に基づいた現在および将来の洪水リスクに関する報告書
国家気候タスクフォース(National Climate Task Force)の専門家によって作成された、「連邦洪水リスク管理基準に関する気候学に基づく科学的手法の最新報告書(Federal Flood Risk Management Standard (FFRMS) Climate-Informed Science Approach State of the Science Report)」は、洪水リスクを管理する人々に現在および将来の洪水リスクに関する最新の科学的情報を提供するものである。連邦洪水リスク管理基準が適用される連邦政府機関のスタッフ以外にも、洪水に関する科学研究やリスク管理に関わる個人、組織にとっても有用なものとなる。

▽気候科学情報を連邦の気候適応計画に反映させる新たな指針
米国地球変動研究プログラム(U.S. Global Change Research Program:USGCRP)および米国海洋大気庁(National Oceanic and Atmospheric Administration:NOAA)の意見を取り入れてOSTPが作成した新たな指針[気候リスク・影響評価に用いる気候情報の選択Selecting Climate Information to Use in Climate Risk and Impact Assessments)]は、連邦機関が気候適応計画を推進し、インフラ、土地、水などへの投資計画の強靱性を高める際に必要な科学的情報の入手に役立つ。また、連邦政府機関だけではなく、気候科学情報の活用に取り組んでいる地域社会や意思決定者もこれを利用できる。

▽気候情報とツールの利便性を高めるための行動計画
「気候サービスのための連邦フレームワークおよび行動計画(Federal Framework and Action Plan for Climate Services)」は、連邦の気候情報とツールを拡大・改善し、そのようなリソースを地域社会や意思決定者が気候変動対処や計画立案の際に利用しやすくするための最初のステップを示すものである。国家科学技術会議(National Science and Technology Council)、NSTC、OSTP、NOAAまた連邦緊急事態管理庁(Federal Emergency Management Agency)が中心となって作成された。

▽科学と技術を活用して地域社会のレジリエンスを強化するフレームワーク
「レジリエンス科学技術グランドパスウェイフレームワーク(Resilience Science and Technology Grand Pathways Framework)」は、意思決定者が、緊急事態(自然災害など)と慢性的な圧迫要因(インフラの老朽化など)に対する地域社会の耐性を強化する多目的の科学技術的な解決策を立案、実行するのに役立つ。国家科学技術会議(National Science and Technology Council)、NSTC、OSTP、NOAAまた国土安全保障省が中心となって作成された。

▽地球変動研究の最新の進歩に関する報告書
USGCRPは、気候と地球変動の課題への対応能力を向上させる最近の省庁間の研究、ツール、関与活動を紹介する年次報告書「変動する我々の地球(Our Changing Planet)」を発表した。これはまた、連邦政府の地球変動研究事業への参加拡大、気候変動以外の地球変動の要因に関する研究の深化、研究結果の一般への公開など、「2022-2031年戦略計画(2022-2031 Strategic Plan)」の実施に向けたUSGCRPの将来の優先事項を示している。

このほか、バイデン政権は今週、気候変動影響に対処するニーズと機会を海洋ベースのソリューションを通じて特定する、初の「米国海洋気候行動計画(U.S. Ocean Climate Action Plan)」を発表し、またNOAAは先週、個人、教育者、組織向けの気候リテラシー指針(climate literacy guide)を更新するUSGCRPの作業をサポートするための意見招請を発出している。

[DW編集局]