[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
エネルギー省 (DOE)
元記事公開日:
2023/03/22
抄訳記事公開日:
2023/04/21

バイデン政権、水力発電の現代化と拡大に2億ドル以上を投資

Biden-Harris Administration Announces Over $200 Million to Modernize and Expand Hydropower

本文:

(2023年3月22日付、米国エネルギー省(Department of Energy:DOE)による標記発表の概要は以下のとおり)

本日、バイデン政権は、DOEを通じて、全米の水力発電の現代化と拡大、そして新たな海洋エネルギー技術の進歩のために2億ドル以上を投資すると発表した。この超党派インフラ法に基づく投資を受けて、DOEは水力発電施設の維持・強化に焦点を当てた「水力発電インセンティブ・プログラム(Hydroelectric Incentives Program)」の下、ダムの安全性の向上と環境影響の低減を図りながら、クリーンな電力供給の継続を確実なものとするため、2つの水力発電インセンティブへの申請を受け付けている。
現在水力発電は、米国の全電力の6%を供給しているが、9万以上あるダムのうちわずか3%未満のみが現在稼働している。これらに発電設備を増設すれば 米国の発電量は最大12ギガワット増加することになる。

■DOEの水力発電プログラム

DOEの送電網展開局(Grid Deployment Office)が運営する水力発電インセンティブ・プログラム
は、2つの募集を開始した。水力発電増産インセンティブ(Hydroelectric Production Incentives)」は、適格とされた水力発電施設が2021年および2022年に発電・販売された電力に対して、最大1億2,500万ドルを支払うものである。「水力発電効率改善インセンティブ(Hydroelectric Efficiency Improvement Incentives)」は、効率を高めるための設備改善に対して7,500万ドルを投資するものである。

DOEは、これら既存の水力発電施設の効率化と現代化の取り組み支援に加えて、新たな海洋エネルギー技術を進歩させ、水力発電と海洋エネルギー分野の人材を育成するために、次のような投資を発表している。

▽革新的な分散埋め込み型エネルギー賞(Innovating Distributed Embedded Energy Prize):波力を利用し、電気などの利用可能なエネルギーに変換する新技術の研究者に最大230万ドルを授与
▽水力発電と海洋エネルギーの大学コンペ(Hydropower Collegiate Competition and the Marine Energy Collegiate Competition):水力発電、海洋エネルギー、および関連業界への就職を目指す大学生・大学院生を対象とした、関連技術を発展させるためのユニークなソリューションの開発に挑戦するコンペティション
▽海洋エネルギー大学院生研究プログラム(Marine Energy Graduate Student Research Program):学生5名が、DOEの国立研究所や、国防総省を含む他の省庁および産業界のパートナーと協力して、海洋エネルギー資源の理解と開発を進める取り組み

なお、昨日に大統領府は初の「海洋気候行動計画(Ocean Climate Action Plan)」を発表し、海洋保全と気候変動対応に向けたロードマップを示している。

■水力発電の研究開発に資する地域社会の関与

2023年3月初め、DOEは、水力発電と河川の利害関係者の間の関係と信頼を深め、水力発電の研究開発活動に地域社会の優先事項をよりよく盛り込むためのプロジェクトに、超党派インフラ法から370万ドルを助成すると発表した。

[DW編集局]