[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
国立科学研究センター(CNRS)
元記事公開日:
2023/03/28
抄訳記事公開日:
2023/04/25

CNRS、「フランス人、科学およびCNRS」の調査結果を発表

Les Français, la science et le CNRS

本文:

(2023年3月28日付、国立科学研究センター(CNRS)の標記発表の概要は以下のとおり)

ハリス・インタラクティブ(Harris Interactive)社は2022年末、CNRSの要請により、18歳以上のフランス人男女1,501人を対象にオンラインで実施した、CNRSのイメージと科学研究に関する調査の結果を発表した。

それによると、フランス人の10人中8人近くが科学と科学研究に興味を持っており、回答者の79%がCNRSなど公的研究機関の研究は、民間研究機関よりも信頼できると回答した。この信頼は公的研究の透明性、有用性および誠実さに基づいているが、一方で、公的研究が民間研究よりも革新的であると回答したのは56%に過ぎず、イノベーションの能力についてはやや疑問がある。

経済界に対する貢献においては、CNRSは成功しているとは言えない。毎年、CNRSが企業と共同で数十の研究室を開設していることなどを知っているのは、回答者の4分の1に留まっている。最近の技術移転政策の強化やイノベーション担当総局の創設に関係させて考えなければならない。
この調査ではCNRSのイメージと評判を測定している。一般の人々は、フランスや海外の科学研究機関のことはあまり知らず、名称を挙げられるほどの回答者はほとんどいない(12%)。それができた回答者の43%がCNRSを挙げており、パスツール研究所(23%)、原子力・代替エネルギー庁(CEA)(10%)、米国航空宇宙局(NASA)(7%)などをはるかに上回っている。

一方、CNRSは、十分に知られているとは言えない。機関としては信頼されているものの、10人中3人未満が、CNRSを公的研究機関として認識できていない。さらにCNRSは生物学、化学など、一般的な分野の研究では知られているが、量子力学、人工知能、宇宙研究など、より専門的な分野での役割はほとんど知られていない。

それでも半数以上が、CNRSはすべての主要な研究分野で活躍していると正しく捉えている。また組織のイメージは優れている。回答者の83%がパスツール研究所に匹敵する良いイメージを持ち、これはNASAのイメージよりも優れている。回答者の26%は、CNSRが「官僚的」であると疑っている一方で、「有用」、「卓越性」、「進歩の源」等の多くの肯定的な評価も与えている。

調査対象者の4分の3以上が、CNRSは社会にとって「有用」であるとしており、フランスの研究の質を保証する役割を負っていると認識している。また10人中7人以上が、CNRSは「革新と新技術の最前線にいる」、「今日と明日の課題に取り組んでいる」と考えている。

最後に、圧倒的多数 (91%) の回答者は、CNRSと高等教育・研究の世界におけるそのパートナーは、与えられた厚い信頼を置き、公的部門と協働することを正当と評価している。しかし一方で、半数以上が、研究成果が公的な意思決定において十分に生かされていないと考えている。

この調査結果は、CNRSと科学研究の両方のイメージと評判を示す基本的情報であり、定期的に実施することでフランス人の見方の変化をたどることができる。

[DW編集局+JSTパリ事務所]