（2023年3月23日付、英国原子力公社（UKAEA）の標記発表の概要は以下のとおり）

日本の核融合企業である京都フュージョニアリング（KF）社とUKAEAは、核融合関連技術を開発するための共同開発契約を締結した。この協力は、英国と日本の間の戦略的パートナーシップを再確認するもので、何世代にもわたって持続可能な商用核融合エネルギーを提供するという両者のコミットメントに基づくものである。

最初のプロジェクトでは、核融合装置内の構造材料として使用するのに適した「核融合グレード」の炭化ケイ素複合システム（SiC/SiC）を開発し、核融合条件の模擬試験における安定性を理解する。

核融合装置の増殖ブランケット内でのSiC/SiC複合材料の使用は、高温で動作し、中性子損傷に耐性のある材料を提供することにより、核融合発電所の効率と実用化の可能性を向上させる。KF社が開発したブランケット「The Self-Cooled Yuryo Lithium Lead Advanced （SCYLLA ©）」は、リチウム鉛ベースの冷却剤および燃料増殖液と親和性がある。新材料は、腐食性のリチウム鉛との相溶性を可能にする。

KF社は、炭化ケイ素材料の設計、実験、製造に関する専門能力を有している。SiC/SiCの原料製造、炭化ケイ素複合材料の製造など、社内および工業プロセスの両方で、ノウハウを保有している。照射された複合材料の検査は、適切なアクティブ試験施設でのみ行うことができ、KFはUKAEAの材料研究施設（MRF）に支援を求めている。

上記新契約の下で、KFは、世界中の他の核融合企業のニーズに応える重要なプラント・コンポーネントの開発を加速する。

[DW編集局]