[本文]
-
- 国・地域名:
- EU
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 欧州委員会(EC)
- 元記事公開日:
- 2023/03/30
- 抄訳記事公開日:
- 2023/05/10
-
欧州防衛基金:EUの防衛能力・イノベーション強化策に12億ユーロ
European Defence Fund: €1.2 billion to boost EU defence capabilities and innovation
- 本文:
-
(2023年3月30日付、欧州委員会の標記発表の概要は以下のとおり)
欧州委員会はこのほど、「欧州防衛基金(EDF)」の第3次年次ワークプログラムを採択し、防衛関連の共同研究開発プロジェクトに12億ユーロを割り当てる。
■欧州共同防衛研究開発プロジェクトへの投資を支援
2023年ワークプログラムは、加盟国が合意し、「戦略的コンパス(Strategic Compass)」で詳述されているEU能力の優先順位に沿った、必要とされる防衛技術と能力を対象としている。破壊的技術と中小企業(SMEs)に焦点を当てた3つの公募トピックを含め34件のトピックを設定している。本ワークプログラムでは、極超音速ミサイルに対抗するための宇宙状況認識(SSA)、海軍分野では「欧州パトロールコルベット(EPC)」のプロトタイプ開発などの重要領域での象徴的なプロジェクトを支援する。
提案公募では、次世代の戦闘機システム、主力戦車、欧州の間接射撃能力のほか、世界各地で迅速な任務支援を行うための中核能力である大型貨物の戦略的航空輸送などの開発基盤を整える。また、すべての分野をカバーする、エネルギー効率の高い人工知能(AI)システム向けの専用ハードウェアアーキテクチャ・ソリューションも支援を受ける。
中小企業および研究機関に特化した、上記のテーマ以外の研究開発の提案公募に充てられる資金は、2022年と比較して50%増加し、防衛関連の中小企業に対してより強力な支援を提供する。
■EU防衛イノベーションスキーム(EUDIS)の支援
欧州委員会は、2027年までに、EUDISの下で、EDFによって喚起される防衛イノベーションに対する最大20億ユーロの投資を生み出すことを目指している。
EUDISにより、欧州委員会は革新的な起業家、新興企業、中小企業を支援し、従来の参入障壁を打ち破り、アイデアを市場に投入し、EUの安全保障・防衛に貢献できるよう支援する。
2023年EDFワークプログラムでは、新たに3つのEUDIS施策が追加され、それらの実施に約2億2,000万ユーロの予算が割り当てられる。中小企業向けの公募、破壊的技術に関する公募、中小企業のビジネス指導、技術的課題など、すでに導入されているEUDIS施策に加えて、以下の新たな施策が行われる。
・欧州の複数箇所での一連の防衛ハッカソンイベント開催に関する公募
・イノベーション・テスト・ハブの開発支援組織に対する財政支援(カスケード・ファンディング)を含む公募
・EUの民間資金による研究の、軍をエンドユーザーとして適用可能性試験を目的とする特定公募
・防衛エクイティファシリティ(Defence Equity Facility)に2,000万ユーロ(2022 年と同様)
・欧州委員会による、企業パートナーシップを促進するマッチング活動のさらなる展開 [DW編集局]