[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
首相府投資総務庁(SGPI)
元記事公開日:
2023/04/06
抄訳記事公開日:
2023/05/10

「フランス2030」、産業の脱炭素化への新たな支援を発表

France 2030 : Agnès Pannier-Runacher et Roland Lescure annoncent de nouveaux soutiens à la décarbonation de l’industrie

本文:

(2023年4月6日付、首相府投資総務庁(SGPI)の標記発表の概要は以下のとおり)

アニエス・パニエ=リュナシェ・エネルギー移行大臣とロラン・レスキュール経済・財務・産業及びデジタル主権大臣付産業担当大臣は4月6日、二酸化炭素(CO2)を最も多く排出する50の工業用地に関わるエコロジカルな計画を評価した。また政府の5か年投融資計画「フランス2030」を通じた新たな脱炭素化支援策と、2022年4月に開始されたプロジェクトの受賞者も発表した。

▽「ゼロ化石産業」(Industrie Zéro Fossile:IZF)の結果発表

「フランス2030」戦略の一環である産業の脱炭素化プロジェクトへの公的支援は、ソリューションの提案を工業化まで発展、大規模化し、産業のグリーン化を実現することである。

約2億2,500万ユーロを支援するIZFプロジェクトの受賞者は56となった。ウクライナ侵攻が始まったあとの、2022年4月29日に経済的および社会的回復力計画の一環として募集開始したIZFプロジェクトは、主に化石燃料の使用抑制による温室効果ガスの排出削減を目的としている。環境・省エネルギー機構(ADEME)が運営しており、「バイオマスによる熱生産の支援」、「大規模なエネルギー効率化およびプロセス開発プロジェクトの支援(DECARB IND)」、「中小企業等による小規模な脱炭素プロジェクト (DECARBFLASH)」からなる。

これらのプロジェクトは、排出量の削減を可能にし、短期的にはウクライナ侵攻の影響、中期的には欧州の新たな規則による、化石燃料と炭素価格の影響を軽減することで、長期的なレジリエンスを獲得することが期待される。

▽業界の脱炭素化プロジェクトの新たな募集

産業における脱炭素化の努力を継続するために、「フランス2030」で募集が開始された新たなプロジェクトは、特に産業による化石燃料消費の削減を目的に環境・省エネルギー機構(ADEME)によって運営され、1億2,500万ユーロが支援される。

特定の戦略的関心を有する技術を優先するため、経費を度外視した選定基準が導入される。また特に製造企業は、長期的な脱炭素化を示すロードマップの提示が必要とされる。

この措置は最大3,000万ユーロの支援を必要とする大規模なプロジェクトを中心に据えており、最低300万ユーロの投資により少なくとも年間CO2換算1,000トンの排出削減を可能にする必要がある。

バイオマス熱に関するプロジェクトは、バイオマスソリューションのより広い展開、エネルギー危機の中での化石エネルギーの消費抑制を可能にするものであり、政府の幅広いエネルギー戦略の一部を構成している。募集は1億2,500万ユーロで4月に開始される。

さらに大規模な産業用地の大幅な脱炭素化を可能にする産業プロジェクトに資金提供を行い、2030年に55%排出量削減という新たな欧州の目標も達成できるソリューションを求める措置もとられる。

パニエ・ルナシェ大臣およびレスキュール担当大臣は、化石燃料からの脱却を目指す産業のエネルギー転換の使命の重要性、脱炭素化に対する業界の強いコミットメントの評価、そして国による支援の強化を強調した。

[DW編集局]