[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
大統領府科学技術政策局(OSTP)
元記事公開日:
2023/03/31
抄訳記事公開日:
2023/05/10

NSTC、地球低軌道(LEO)研究開発戦略を公表

NSTC: National Low Earth Orbit Research and Development Strategy

本文:

(2023年3月31日付、大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy:OSTP)による標記発表の概要は以下のとおり)

[編集局注:以下では、NSTC地球低軌道科学技術・省庁間ワーキンググループによる報告書「国家地球低軌道研究開発戦略(National Low Earth Orbit Research and Development Strategy)」の概要を紹介する]

米国は宇宙研究において卓越した地位を占めてきたが、地球低軌道(Low Earth Orbit:LEO)の利用が増し宇宙開発が新時代を迎えるにあたり、月と火星の探査での世界的リードと同様に米国の優位性を維持することが重要である。この「国家地球低軌道研究開発戦略(National Low Earth Orbit Research and Development Strategy)」は将来のLEO研究開発における米国のリーダーシップに関するビジョンを提示し、科学技術の進歩、米国政府との協力関係の強化、市場の持続可能性の促進、国際的なパートナーシップの拡大、一般市民の参加、および米国の宇宙人材の継続的な育成を目指すものである。

宇宙での商業市場が拡大し、同時に役割を終えつつある国際宇宙ステーション(ISS)がより安価な民間設備で代替されるべき時期を迎えていることから、米国政府はISS後の世界に対して戦略的な計画を立てる必要があり、商業的な最先端の自律運用型及び人間居住型の前哨基地の採用が特に求められている。

本戦略では、LEOにおける5つの政策目標と支援活動を掲げている。

①宇宙での迅速で再現性のある科学を可能にすることにより、画期的な科学技術を推進する。
②LEO国立研究所を通じて研究開発への新規参入を奨励し、データ共有とLEOへのアクセスを許可することにより、米国政府との連携やパートナーシップを強化する。
③従来とは異なるユースケースに適合し、将来のプラットフォームでの公平なアクセスを可能にし、経済的・規制的な障壁を解消することにより、市場機会・イノベーション・持続可能性を促進する。
④国際連携の機会のさらなる模索や有人宇宙飛行の安全性に関する協働の実施を通じて、国際協力を拡大する。
⑤科学、技術、工学、数学(STEM)教育と人材開発を促進する。

[DW編集局]