[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
科学技術政策局(OSTP)
元記事公開日:
2023/03/31
抄訳記事公開日:
2023/05/11

米英がプライバシー保護強化技術(PETs)のイノベーション推進チャレンジ賞受賞者を発表

At Summit for Democracy, the United States and the United Kingdom Announce Winners of Challenge to Drive Innovation in Privacy-enhancing Technologies That Reinforce Democratic Values

本文:

(2023年3月31日付、大統領府科学技術政策局(Office of Science and Technology Policy:OSTP)による標記発表の概要は以下のとおり)

昨日、第2回民主主義サミット(Summit for Democracy)において、米国と英国は、民主主義の価値を強化するプライバシー保護強化技術(privacy-enhancing technologies: PETs)のイノベーション推進チャレンジ賞の受賞者を発表した。2021年12月の第1回サミットで発表されたこの賞は、機密情報を保護しつつ人工知能(AI)モデルの共同開発を可能とするソリューションを構築することをねらいとしている。

民主主義の価値とプライバシーの基本的権利に対する米英両国のコミットメントを確認する形で、この賞は喫緊の地球規模の課題解決にデータを活用すべく「パンデミックの感染予測」と「金融犯罪の検知」という2つのシナリオに対するPETsソリューションの開発に焦点をあてた。

世界をリードする専門家たちがこの160万ドル(130万ポンド)の賞に挑んだ結果、受賞したソリューションは、異なるPETsを組み合わせることにより、AIモデルが機密情報を公開することなくより良い予測を行うための学習を可能にした。この組み合わせに焦点を当てた取り組みは、現実世界における実際的なデータプライバシーに関する懸念に対処する、革新的なソリューションの開発を促進することになった。

選考の最終フェーズでは、モデルの学習に使用されたオリジナルデータを暴こうとする「レッドチーム」の試みによって、ソリューションのプライバシー保証が試され、こうした攻撃に対する耐性の強さで最終受賞者が決定された。

5月には共同デモがロンドンで行われ、米英のプライバシー保護研究者や政府関係者など大西洋横断コミュニティの関係強化を図る予定である。実践者が効果的かつ責任を持ってこうした技術を採用できるようにするツールやガイダンスの開発など、この分野におけるさらなる協力も積極的に検討されている。

この賞は、2国間の協力プロセスで設計された。米国では、国立標準技術研究所(NIST)と国立科学財団(NSF)が資金を提供し、OSTPのパートナーシップが協力した。英国では、科学・イノベーション・技術省(Department of Science, Innovation and Technologies)のデータ倫理イノベーションセンター(Center for Data Ethics Innovation)とイノベートUK(Innovate UK)により実行された。また、英国個人情報保護監督機関(U.K. Information Commissioner’s Office)、金融行為監督機構(Financial Conduct Authority)、国民保健サービス(NHS)のイングランド・トランスフォーメーション、米国金融犯罪捜査網(U.S. Financial Crimes Enforcement Network)、国際銀行間通信協会(Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunication : Swift)、バージニア大学の生物学的複雑性研究所(University of Virginia Biocomplexity Institute)の協力も得ている。

同賞の詳細は以下より参照可能である。https://petsprizechallenges.com/

[DW編集局]