[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
米国航空宇宙局(NASA)
元記事公開日:
2023/04/06
抄訳記事公開日:
2023/05/16

NASA、科学・探査のための革新的な概念研究を助成

NASA Awards Innovative Concept Studies for Science, Exploration

本文:

(2023年4月6日付、米国航空宇宙局(National Aeronautics and Space Administration:NASA)の標記発表の概要は以下のとおり)

現在開発中の技術は、航空宇宙探査の未来を根本的に変える可能性がある。ほぼ無音で飛行する電動航空機が人や荷物を各都市に運び、月の裏側に設置した大規模な電波望遠鏡によって宇宙の新たな秘密が解明され、宇宙に長期滞在する宇宙飛行士は、自身の健康を守るための医薬品をその場で作ることも可能となるかもしれない。これらの概念は、「NASA革新的先進概念(NASA Innovative Advanced Concepts:NIAC)」プログラム下で継続採択された6つの研究に含まれるものである。

今回のNIAC第2次助成は、数十年先の航空・宇宙旅行を形作る未来的概念の研究を継続する6人の研究者に措置される。NIACは、初期段階の技術概念研究に資金を提供することにより、将来のNASAミッションを変革できる先見性のあるアイデアを育成している。第2次助成は、第1次助成で始められた概念研究を継続させるものであり、研究者は引き続きその概念を発展させ、NASA内外での利用の可能性を探る。6人の研究者はそれぞれ2年間で最大60万ドルを受け取る。

2023年のNIAC第2次助成のテーマ・対象者は以下のとおり。

① 地球や他の惑星の地表・地形・植生をリモートセンシングで観察するための量子リュードベリレーダー(Quantum Rydberg Radar)開発/NASAジェット推進研究所(南カリフォルニア)/Darmindra Arumugam
② 先進的な空中移動車(Air Mobility Vehicle)のための静音・固体推進装置/マサチューセッツ工科大学(マサチューセッツ州ケンブリッジ)/Steven Barrett
③ 惑星防衛のための小惑星粉砕(Pulverize it:PI)法/カリフォルニア大学サンタバーバラ校(カリフォルニア州)/Philip Lubin
④ 高比出力放射性同位元素電気推進システムEmberCoreによる深宇宙からの宇宙観測を行うNyxミッション/Ultra Safe Nuclear Corporation(シアトル)/Christopher Morrison
⑤ 月の裏側に巨大な電波望遠鏡を設置し観測を行うFarView観測所/Lunar Resources, Inc.(ヒューストン)/Ronald Polidan
⑥ 長期宇宙滞在中に微生物を使ってオンデマンドで個人用医薬品を製造する宇宙薬局/NASAエイムズ研究センター(カリフォルニア州シリコンバレイ)/Lynn Rothschild

NIACプログラムは、NASAの現在と将来のミッションのための新たな分野横断的な技術と能力を開発するNASA宇宙技術ミッション部(Space Technology Mission Directorate:STMD)によって資金提供されている。

[DW編集局]