[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
全米科学・工学・医学アカデミー(NASEM)
元記事公開日:
2023/04/13
抄訳記事公開日:
2023/05/24

NASEM、国家核安全保障局のコンピューティング能力に警鐘

National Nuclear Security Administration Cannot Continue With ‘Business as Usual’ in the Shifting Supercomputing Landscape, Says New Report

本文:

(2023年4月13日付、全米科学・工学・医学アカデミー(National Academies of Sciences, Engineering, and Medicine:NASEM)の標記発表の概要は以下のとおり)

NASEMが、国家核安全保障局(National Nuclear Security Administration:NNSA)のミッションと運営に関し、次世代のハイパフォーマンスコンピューティング戦略を根本的に見直す必要があるとする報告書を取りまとめた。これまでNNSAは先進的なコンピューティングにおいて明確な技術的道筋を持ち、コンピューティング産業の成長軌道を活用することができたが、このような条件はもはや成り立たないと、同報告書は警告している。

同報告書によると、NNSAの高度なコンピューティングに対する需要は今後も増加し続け、今年新たに設置するエクサスケールコンピューティングシステムを含めても、NNSAが予定するコンピューティング能力を超える。このため、NNSAは、エクサスケールの先を見据え、必要とする最大の計算に要する時間を、数ヶ月から数日に短縮できるコンピュータの構築に注力する必要がある。将来の兵器システムが大気圏再突入時に確実に機能するようにすること、備蓄プルトニウムの老朽化の影響を評価すること、現在及び将来の兵器システムの余力と不確実性を評価すること、これらはすべてNNSAにとって、エクサスケール以上の計算能力を必要とする課題である。

また、NNSAのコンピューティングニーズが、それが依存する商業市場の関心や製品とますます乖離しているため、NNSAは新たにより積極的な設計、調達、展開の戦略を追求すべきである。NNSAは、新興のハイパースケーラー(大規模クラウドプロバイダー)と人工知能ハードウェア市場を活用する、もしくは他の政府パートナーやベンダーと協力してNNSAの課題に適したコンピューティングシステムを設計する、といった方策を見い出さねばならない。

[DW編集局]