[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
高等教育・研究省(高等教育情報科学センター)
元記事公開日:
2023/05/04
抄訳記事公開日:
2023/05/29

スパコン「アダストラ」供用開始 毎秒74PFlops

Le Supercalculateur Adastra est désormais accessible aux chercheurs français et européens !

本文:

 高等教育・研究省の高等教育情報科学センター(CINES)は4日、スーパーコンピューター「アダストラ」(Adastra)を、南部マルセイユにある同センターに設置したと発表した。処理能力は欧州で最も高い、毎秒74ペタフロップス(PFlops)(浮動小数点演算を1秒間に7京4,000兆回できる能力)を誇る。オープンリサーチの枠組みに沿って学術や産業の関係者らが利用できるようになり、フランスの研究活動の強力なカードとなる。

 「アダストラ」は、政府などが出資して国内のスパコン基盤整備を進める国立高機能計算推進機構(GENCI)とCINESが設置。「険しい道を乗り越え星を目指す」という意味のラテン語(Per aspera ad astra)から命名されている。毎秒74ペタフロップスの処理能力は、これまでCINESに設置されていたスパコン「オキシジャン」(毎秒3.5ペタフロップス)の20倍以上にあたる。

 GENCIはこのほか、原子力・代替エネルギー庁の大規模計算センター(CEA-TGCC)と国立科学研究センターの情報科学資源開発研究所(CNRS-IDRIS)の2機関にもスパコンを設置して運用している。CINESは、これらも併用することで、データ蓄積やユーザーの多様な用途に応えることができるとしている。 またこうした高機能計算の資源を人工知能(AI)と組み合わせ、さらには気候変動対策、医療、交通機関、生物多様性、人間、社会、生物、化学、物理学、天体物理学といった各分野・領域で用いられる量子コンピューターのプロトタイプモデルとも組み合わせることにより、同国の研究開発の新たな切り札にできる、としている。

[DW編集局]