フランス政府は5月12日、製造拠点を初めて建設しようとする企業を資金面で支援する公募プロジェクト「初めての工場建設」について、２回目の採択結果13件を発表した。

　製造拠点を作るには多額の設備投資が必要で、経営体力の弱いスタートアップや中小企業には参入のハードルが高いとされる。こうした企業の活動を、製造業やいわゆるディープテックの分野で促すことで、技術の社会実装を加速させたり、国全体の製造力強化を図ったりする狙いがある。

　政府の５か年投融資計画「フランス2030」の一部である「製造業・スタートアップ戦略」（SID戦略、投資予定総額約23億ユーロ）の一環で実施。初回の採択として、すでに昨年11月に18件がすでに発表されており、今回の13件と合わせ、計31件が採択されたことになる。

　今回の13件（投資予定は5,700万ユーロ）の業種別の内訳は、「ロボティクス」と「低炭素材料」が各4件、「建設」が2件、「新型モビリティ」「織物」「農業・食料」が各1件となっており、「フランス2030」遂行の”必要条件”とされているロボティクスの強化が目立つ。雇用は1,160人分生み出されるという。また13件中9件が首都圏（イル＝ド＝フランス地域圏）外に立地し、地域経済の活性化も期待されるとしている。

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　今回採択されたプロジェクトの実施企業は次の通り。（　）内は、業種、立地県名（立地が県庁所在地の場合は自治体名を記載）。☆印はスタートアップ。企業名表記は政府発表資料に準ずる。

　【低炭素材料】▽BLACKLEAF（☆グラフェン製造、東部ストラスブール）▽CALYXIA（☆マイクロカプセル製造、首都圏ヴァル＝ド＝マルヌ県）▽Global Bioenergies（☆化粧品、首都圏エソンヌ県）▽Néolithe（ゴミ固形化処理、西部メーヌ＝エ＝ロワール県）【ロボティクス】▽ABSOLUT SYSTEM（☆工業用低温生成システム設計、南東部イゼール県）▽HOLDING AGJS（デュアルユース向け赤外線機器製造、首都圏イヴリーヌ県）▽MicroOLED（☆マイクロスクリーン製造、南東部グルノーブル）▽VERMON（医療用画像機器製造、中部アンドル＝エ＝ロワール県）【建設】▽ADEMEURE（☆木製骨組み製造、西部ジロンド県）▽C.H.A.B（鋼管製造、南東部ローヌ県）【織物】▽3D-TEX（☆編み物製造、西部イル＝エ＝ヴィレーヌ県）【新型モビリティ】▽H2SYS（☆水素製造、東部ベルフォール）【農業・食料】▽Interstellar Lab（☆農業用温室製造、首都圏ヴァル＝ド＝マルヌ県）

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（参考）2022年12月14日付公開記事

[DW編集局]