[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
国立科学研究センター(CNRS)
元記事公開日:
2023/05/16
抄訳記事公開日:
2023/06/06

欧州委員会、CNRSの「研究人事エクセレンス」ラベルを更新

La Commission européenne renouvelle le label HR Excellence in Research du CNRS

本文:

(2023年5月16日付、国立科学研究センター(CNRS)の標記発表の概要は以下のとおり)

CNRSは、組織の人事政策の質を評価して表彰する、欧州委員会の「研究人事エクセレンス」ラベル(Label HR Excellence in Research)を取得した。取得は2回目。

CNRSは数年にわたり、採用と労働条件の慣行を継続的に改善するプロセスに参加し、2017年に同委員会から「研究人事エクセレンス」ラベルを初めて取得。労働環境と人事管理の質を向上させてきた。今回の取得により、ラベルは有効期間がさらに3年間延長されるが、CNRSでは、前期までの活動の評価が作成され、すべてのスタッフを対象とした新しい行動計画が欧州委員会に提出される。

「研究人事エクセレンス」ラベルの由来となっている「研究者のための人事戦略」(Human Resources Strategy For Researchers:HRS4R)は、欧州研究者憲章などに基づく原則を研究機関が実施するためのツールとして、欧州委員会によって2008年に作成され、特に研究の選択の自由、職業実践への取り組み、採用の問題、職業の認知、さらにはキャリアの進歩と訓練などを規定する40の原則を設けている。目的は、中国や米国に対して、魅力、競争力を高めることである。

世界中の705の組織が「研究人事エクセレンス」のラベルを保持しており、「Horizon2020(2014~2020年)」以来、欧州委員会は、その研究資金を受領するすべての機関が、憲章の原則とコードに従うよう促してきた。

CNRSの研究者、エンジニア、技術者向けの計画は、2017年当時は、研究者のみが対象であったが、現在は技術者まで含まれており、またCNRS人事部は、採用からトレーニング、専門職のキャリアに至るまで、CNRSのHRS4R計画の活動の80%に関わっている。

CNRSのキャリアサイトが3月8日に開設され、頭字語や行政用語がなく誰でもアクセスでき、魅力的で、かつ外部の人がCNRSで働く自分を見ることができる。CNRSの求人ポータルは2021年までは有期契約のみが対象であったが、いずれは若手教授職、上級管理職、障害者雇用、インターンシップや実習生の募集も掲載できるようになる。HRS4R計画の多くアクションは、労働生活の質を向上させるプロジェクトに資金を提供するQWL(Quality of Working Life)計画にも関連している。

約40の行動からなるCNRSのHRS4R計画では、フランス語と英語の二言語によるコミュニケーション、両言語による雇用契約の推進、初任管理者向けの研修の展開、研究者の欧州行きの奨励、プロジェクト申請に関わる負担の軽減方策などが規定されている。

[DW編集局]