（2023年6月8日付、首相府投資総務庁（SGPI）の標記発表の概要は以下のとおり）

　産業復興の加速に向けた大統領の声明を受けて6月7日に開催された「仕事と資格のキャンパスでフランス2030年を創る」というイベントに際して、総額1億1,300万ユーロとなるフランス2030「専門知識と未来の仕事」の関心表明公募に対する14件の受賞プロジェクトが、キャロル・グランジャン職業教育・訓練担当大臣によって発表され、未来の職業（グリーン産業、経済の脱炭素化）における職業訓練および業界の魅力に対する国の取り組みが具体的に示された。

　これらの受賞案件には、第3弾の総額2億2,100万ユーロのうち1億1,300万ユーロが提供され、2030年までに約62万か所の研修場所の創設が可能になり、グリーン産業問題について130万人以上の人々の意識を高めることも可能になる。

　地域ごとの事業の概要と投資額は、以下のとおり。

▽オーヴェルニュ・ローヌ・アルプ地域：オリモブ・アカデミー（移動）およびFARE （エネルギー改革）による輸送および建設部門1,780人の研修と277万5,000人の訓練（総額12百万ユーロ以上）
▽ブルターニュ地域： IFALP（購買および物流）による公共調達部門2,226人の研修（総額500万ユーロ以上）
▽グラン・エスト地域： C-CEDI（工業の脱炭素化）による工業部門4万1000人の訓練（総額600万ユーロ以上）
▽オー・ド・フランス地域： C-DéCIDé（原子力と再生可能エネルギー）による6万4,000人の訓練（総額約800万ユーロ）
▽イル・ド・フランス地域： CO2i（工業の脱炭素化）、LRA（エネルギー改修）、HTASE（水素と再生可能エネルギー）による産業、建築、エネルギー分野5,861人の研修と18万3,000人以上の訓練（総額3,700万ユーロ以上）
▽ニュー・アキテーヌ地域： BATTENA（バッテリー）による輸送部門3万5,316人の学生の訓練（総額1,000万ユーロ以上）
▽オクシタニー地域： DecarboChim（工業の脱炭素化）による化学部門3万600人の研修（総額500万ユーロ以上）
▽プロヴァンス・アルプ・コート・ダジュール地域： I-NOVMICRO #2（エレクトロニクス）およびALIMED 2025（地元食品）による工業および食品分野2万6,820人の研修（総額300万ユーロ以上）
▽レユニオン地域： ECOUBAT（建設）による建設部門1,249人の研修（総額900万ユーロ以上）

■関心表明公募「専門知識と未来の仕事」の第2シリーズに7億ユーロの投資を予定

　5月11日の大統領の表明のとおり、産業復興と脱炭素化には新たな才能とスキルの適応が必要であり、これは主権とレジリエンスに関わる戦略的課題でもあるとして、7億ユーロを投資する関心表明公募の第2弾が発表され、昨日、未来の職業、とくにグリーン産業などの職業に対する人材養成のためフランス2030の第2シリーズが正式に開始された。

　研修関係のコンソーシアム、雇用主、生涯教育関係者、リクルート担当者が担う人材養成プロジェクトが期待され、最長5年間、上限を100万ユーロとし所要額の70%までの資金を提供する。若い人材がグリーン産業、エネルギー、デジタル技術などの分野でキャリアを積み、また持続可能な解決策をフランスで開発する意欲ある専門職を誘致する活動にも資金が提供される。公募は、2025年まで、または財源がなくなるまで行われる。

[DW編集局]