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- 国・地域名:
- フランス
- 元記事の言語:
- フランス語
- 公開機関:
- 首相府投資総務庁(SGPI)
- 元記事公開日:
- 2023/06/13
- 抄訳記事公開日:
- 2023/07/06
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必須医薬品生産の国内移転を加速
- 本文:
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(2023年6月13日付、首相府投資総務庁(SGPI)の標記発表の概要は以下のとおり)
マクロン大統領は、製薬会社アゲタン(1908年創業、南東部オーヴェルニュ=ローヌ=アルプ地域圏アルデッシュ県)の視察に際し、必須医薬品の生産を同地域に移転し、必要な治療への患者のアクセスを保証する新たな国家的支援策を発表した。
■「医療イノベーション計画2030」(IS 2030)による革新的医薬品へのアクセスの保証
フランスの患者は、成熟医薬品と革新的医薬品を含むすべての医薬品にアクセスできなければならない。マクロン大統領が2021年に発表した「IS 2030」(のちに政府5か年投融資計画「フランス2030」の一部とされた)は、75億ユーロ以上を投じてフランスを医療イノベーション分野で主導的な国にし、特に革新的な健康製品への迅速かつ公平なアクセスを可能にすることを目的としている。計画の実施は、医療イノベーション庁(AIS)によって調整される。
イノベーションとその産業化を促進するために「新興感染症およびCBRN(化学、生物、放射性物質、核)の脅威」、「生物療法と生物製剤」、「デジタルヘルス」および「革新的な医療機器」の4戦略が進行中である。
新たな生産拠点の創設や生産能力の増強という純粋な産業面においては、これら4戦略にもとづき、これまでも15のプロジェクトが支援され、投資額2億9,400万ユーロのうち6,210万ユーロの支援が行われてきた。
■成熟医薬品のフランスまたは欧州域内生産による供給の保証
生産拠点の国内移転プロジェクトに加え、多くの企業がフランスを選択し、国内の経済活力に大きく貢献している。フランスには3,000社以上の企業が健康分野の研究、開発、生産などに貢献しており、このうち260社は製薬研究所であり、約40社は医薬品の受託製造業者である。
フランスや欧州には多くの医療関連企業が存在するが、コロナ禍を経て、医療関連製品のサプライチェーンには問題があることを認識することとなった。実際、欧州連合域内で販売されている医薬品の40%は第三国から来ており、医薬品有効成分の60%~80%は、中国とインドで生産されている。
特定の医薬品の供給を保証するために、政府は現在、生産拠点の国内移転の取り組みを重点化する必須医薬品のリストを作成中である。
「フランス2030」の支援により、総投資額は1億6,000万ユーロとなり、成熟医薬品の生産を国内に移転し、供給を確保するため、今後数週間以内に▽ベンタ・ライオン、▽エティファーム、▽ユーロAPI、▽GSK、▽インテリア、▽シーケンス、▽スカイファーマ――の8プロジェクトが開始される。
■医薬品不足対策の窓口の一本化
この新たな対策はフランス2030の一環として政府によって支援され、その内容はまもなく官報に掲載される予定で、生産能力の拡大や特定の必須医薬品の製造の国内移転を支援することにある。また脱炭素の革新的生産プロセスの開発にも資金を提供する。
最初の5,000万ユーロは、この窓口による第1弾で公募されたプロジェクトを支援する。動員される財政的手段は、必要に応じて次に向けて検討される。
一本化した窓口は、必須医薬品の中でも優先的に国内移転が必要と考えられる医薬品を対象とする。
これらの措置は「IS 2030」の一環として、革新的な治療法へのアクセスを簡素化、加速するAISの取り組みを補完するものである。医薬品への早期かつ直接的なアクセスという2つの措置がすでに軌道に乗っており、今後2年間にわたって実証される予定である。
[DW編集局]