[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
高等教育・研究省
元記事公開日:
2023/07/03
抄訳記事公開日:
2023/07/12

テレワークを本格導入へ 主要機関と労組が合意

Signature de l’accord « télétravail » entre Sylvie Retailleau, les organisations syndicales et les représentants des établissements de l’Enseignement supérieur et de la Recherche

本文:

 高等教育・研究省は3日、同省と管轄下の教育・研究9機関、および主要4労組が、職場においてテレワークを本格的に導入することで合意したと発表した。

 公的機関でのテレワークをめぐっては、政府と複数の公務員労組が2021年7月、テレワークを「職員自身と公務双方に利益をもたらす働き方の一つのあり方」として検討することですでに合意しており、今回の合意は、教育・研究機関でこれを実践する形となった。

 労使間で結ばれた「テレワーク協定」には、「(テレワーク実施には)自発的な意思と可逆性を重視すること」(第2条第一項)、「組織の性質や活動サイクルに最も見合った形式を考慮しながら、制度設計者の責任において様々なアプローチを駆使して普及させること」(第2条第二項)、「職員全体に適用され、原籍や雇用形態、フルタイムかパートタイムかなども問わない」(第5条)、「テレワークの場所は、本人の『住居』または所属機関が相当と認める場所とする」(第7条)、「ブロードバンドまたはそれに類するインターネット回線を使うこと、原則として保険で保障される居住用の私的空間を使うこと、所属機関が求める機密保持を満たす空間を作ること、情報セキュリティや個人情報保護の体制に隙を作らないようにすること」(同)――などの条項が盛り込まれている。

 同省は「(テレワークは)職員全体の生活の質や労働条件をよりよくする一つの方策だ」などとしている。

 今回合意した9機関と4労組は次の通り。(いずれも順不同)

【機関】
▽フランス大学連合(France Universités)
▽フランス工学系学校長会議(CDEFI)
▽フランス国立科学研究センター(CNRS)
▽国立農学・食料・環境研究所(INRAE)
▽国立情報科学・自動化研究所(INRIA)
▽国立保健医学研究所(INSERM)
▽国立開発研究所(IRD)
▽国立人口学研究所(INED)
▽国立教育研究文献センター(CNOUS)

【労組】
▽独立労働組合国民連合(UNSA:Union nationale des syndicats autonomes)
▽労働総同盟(CGT)系「教育・研究・文化連合の高等教育CGT連合」(Ferc-Sup-CGT:Coordination des syndicats CGT de l’enseignement supérieur de la Fédération de l’éducation, de la recherche et de la culture)
▽フランス民主労働連合(CFDT)系「国民教育総連合」(Sgen-CFDT:Syndicat général de l’Éducation nationale – Confédération française démocratique du travail)、
▽統一労組同盟(FSU:Fédération syndicale unitaire)

<DW編集局からおことわり>
 今回の合意に関係した機関や労組には、一般に確立した邦訳名称がないケースが含まれています。特に労組の名称はすべて、当編集局が便宜的に当てた仮の訳語ですので、あくまでも「目安」とご理解ください。また高等教育・研究省のプレスリリース文では、協約を締結した9機関のうちの一つが、この記事で示した「CNOUS」(国立教育研究文献センター)ではなく「CROUS」(地域圏立教育研究文献センター)となっていますが、合意書の原本や現地報道などと照合した結果、元のプレスリリースのほうが誤植であると判断し、このページでは「CNOUS」としています。(フランス担当フェロー・内田遼)

[DW編集局]