[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
欧州委員会(EC)
元記事公開日:
2023/05/31
抄訳記事公開日:
2023/07/12

EU-米国貿易技術評議会、新興技術・持続可能な貿易・経済安全保障における協力を強化

EU-US Trade and Technology Council enhances cooperation in emerging technologies, sustainable trade and economic security

本文:

(2023年5月31日付、欧州委員会の標記発表の概要は以下のとおり)

本日、EUと米国は、スウェーデンのルレオでEU-米国貿易技術評議会(TTC)の第4回閣僚会議を開催した。EUと米国の二国間貿易は歴史的高水準にあり、2022年には1兆5,500億ユーロを超え、その中には1,000億ユーロを超えるデジタル貿易が含まれている。閣僚会議の機会に、両者は、新興技術、持続可能な貿易、経済安全保障と繁栄、安全な接続性、デジタル環境における人権に関して、大西洋横断協力の推進における一連の主要な成果について合意した。両者はまた、ウクライナを支援するという揺るぎないコミットメントを再確認した。

■ 新興技術、接続性、デジタルインフラに関する大西洋横断協力

EUと米国は、人工知能(AI)技術には大きなチャンスがある一方で、社会にリスクをもたらす可能性もあるという認識を共有している。信頼できるAIの標準とツールの特定に特に取り組んでいる専任の専門家グループによる、「信頼できるAIとリスク管理のためのTTC共同ロードマップ」の実施における最初の結果が紹介された。今後、この取り組みでは生成AIシステムにも焦点が当てられる予定である。

EUと米国は、半導体に関する取り組みを進め、サプライチェーンの早期警戒や補助金の透明性に関する協定を実施している。双方は、補助金競争を防ぐメカニズムを導入し、それぞれの半導体法(Chips Acts)に関する協力を深め、半導体のサプライチェーンにおけるPFAS(ペルフルオロおよびポリフルオロアルキル化合物)の代替研究で協力する予定である。

EUと米国は、e-モビリティの領域での取り組みを進めている。双方は、大型電気車両充電用のメガワット充電システムに関する共通の国際規格に合意した。また、政府資金による電気自動車充電インフラの導入に関する提言も作成した。

双方は、6G無線通信システムに関する共通のビジョンと業界ロードマップに向けて協力を加速し、6Gの展望を発表した。

両者は、第三国での安全で強靭な接続性プロジェクトの展開を加速する取り組みを続けており、本日、コスタリカとフィリピンでの新たな取り組みを発表した。

■ 変化する地政学的デジタル環境における人権と価値観

EUと米国は、未成年者の保護と権限付与、研究者のデータアクセスに関する一連の高レベル原則を策定した。

両者はまた、第三国における外国の情報操作や干渉に対処する方策を定めた共同声明を発表した。

■ より容易で、環境に優しく、安全な貿易のための大西洋横断協力

両者は、医薬品の相互承認を動物用医薬品にも拡大し、既存のEU-米国間船舶用機器相互承認規則を更新した。

新たに開始された、クリーンエネルギー・インセンティブ対話(Clean Energy Incentives Dialogue)は、EUと米国のクリーン経済へのインセンティブ・プログラムの相互強化に役立つ。

TTCは、特定の国家安全保障上のリスクに対処するための強力な外国投資審査の重要性や、非市場的な政策・慣行、経済的威嚇に対処するためのサプライチェーン多様化のための調整の重要性を強調した。

EUと米国は、貿易を容易にし、G7で合意されたデジタル貿易原則(Digital Trade Principles)を推進するためのデジタルソリューションを引き続き提唱する。

[DW編集局]