[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
元記事公開日:
2023/06/07
抄訳記事公開日:
2023/07/18

連邦政府、エネルギー研究に関する第7次連邦報告書2023を採択

Bundesregierung beschließt 7. Bundesbericht für Energieforschung 2023

本文:

(2023年6 月7日付、ドイツ連邦経済気候保護省(BMWK)の標記発表の概要は以下のとおり)

連邦政府の資金調達方針と第7次エネルギー研究プログラムの進捗報告書、「エネルギー研究に関する第7次連邦報告書2023」が6月7日、閣議で承認された。連邦政府は、第7次エネルギー研究プログラム、「エネルギー転換のためのイノベーション」の一環として、最新のエネルギーと効率化技術の研究、開発、実証に資金提供することにより、このプロセスを支援している。2022年に連邦政府は、約15億ユーロでエネルギー転換の研究を支援した。7,365件の研究、開発、実証プロジェクトに11億ユーロを助成し、ヘルムホルツ協会のエネルギー研究部門への制度的資金に、約3億2,000万ユーロを拠出した。

以下に4つの代表的な研究プロジェクトを紹介する。

■OffsH2ore:洋上風力発電による海上での直接水素生産

プロジェクトパートナーは、海上での水素生産と、その陸上への輸送の技術的・経済的な可能性について検討した。海上での操業条件の課題とともに、水素の貯蔵・輸送についても分析した。研究チームの提言は、パイロットおよび大規模プロジェクトのモデル・ソリューションとして役立つものである。(プロジェクト期間:2020年-2022年)

■Low Ex Bestand:気候に左右されない、費用対効果の高い集合住宅暖房

科学者と暖房業界企業の協力により、集合住宅のヒートポンプ、熱伝達、換気システムを効率的に使用するためのソリューションを開発した。とりわけ研究者らは、すべてのシステムの組み合わせシミュレーションにおいて、ガスコンデンシング・ボイラーと比較して、耐用年数中にCO2換算で約50%の削減が可能であることを示した。基本的にこのLow Exシステムは、利用可能なエネルギーを可能な限り効率的に使用し、エネルギー損失を最小限に抑えることを目的としている。 (プロジェクト期間:2016年-2022年)

■Akzept(受容):エネルギープロジェクトへの市民参加

このプロジェクトでは、市民がエネルギー協同組合や風力発電・風力エネルギー基金に参加したり、太陽光などの再生可能エネルギーによって自ら発電したりするなどして、どのような意識の変化が生じるかを分析した。その結果、金銭的な参加と受容とが関連していることが確認され、エネルギー転換を進めるためには、市民の参加の機会をさらに増やすことが推奨されている。(プロジェクト期間:2020年-2022年)

■次世代太陽電池の量産化加速

ヘルムホルツ協会のエネルギー研究部門は、再生可能エネルギーによるエネルギー供給を強化するため、4つのイニシアチブを立ち上げた。その中の1つは、次世代の太陽電池を5年以内に市場に投入することを目指している。科学者らは、現在市場を支配しているシリコンベースの太陽光発電技術に対抗し得る、30%以上の効率、高い安定性、競争力のあるコストおよび環境性能を備えた革新的なタンデム型太陽電池技術に焦点を当てている。

[DW編集局]