[本文]
-
- 国・地域名:
- EU
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 欧州委員会(EC)
- 元記事公開日:
- 2023/06/26
- 抄訳記事公開日:
- 2023/08/02
-
EU、41件の防衛産業プロジェクトに8億3,200万ユーロを投資
European Defence Fund: EU to invest €832 million in 41 ambitious defence industrial projects
- 本文:
-
(2023年6月26日付、欧州委員会の標記発表の概要は以下のとおり)
欧州委員会は本日、欧州防衛基金(EDF)に基づく2022年の提案公募の結果を発表した。EU全域の41件の共同防衛研究開発プロジェクトを支援するEU資金は、総額8億3,200万ユーロになる。
採択されたプロジェクトは、陸海空軍戦、宇宙ベースの早期警戒、サイバーなどの重要分野におけるEUのハイエンド防衛能力のさらなる向上に資するものである。例えば、海軍分野では、E-NACSOSプロジェクトが、対空およびミサイル防衛のための新たな共同規格に焦点を当てる。航空分野では、REACTIIプロジェクトにより、電子戦の強靭性と管理が向上する。宇宙分野のプロジェクト、ODIN’S EYE IIは、宇宙ベースのミサイル早期警戒の進歩に基づき、EU加盟14か国とノルウェーの産業界を結集し、この領域における欧州の能力を向上させる。EDFはまた、3件の特定研究開発プロジェクトにおいてサイバー防御に直接貢献する。
EDFは、今回初めて、EU防衛イノベーション・スキーム(EUDIS)の下で、2,500万ユーロの技術チャレンジプログラムを開始する。このプログラムでは、各チームが、無人システムを通じて隠れた脅威を検知し、紛争環境下で軍人と民間人がより安全に活動できるようにするための最善の解決策の開発で競い合う。
2022年公募の結果は、EDFがEUの戦略的自律性と、より競争力があり一体化された欧州の防衛技術・産業基盤の構築に貢献することを再確認するものである。採択されたコンソーシアムには、EU全域およびノルウェーから550の機関が結集し、それらの39%を占める中小企業も強く関与している。
EDFによる公募の2年目の成功は、2つの前身プログラム、防衛研究に関する準備施策(Preparatory Action on Defence Research)および欧州防衛産業開発プログラム(European Defence Industrial Development Programme)を基礎にした本プログラムが、次のように目的に適合していることを示している。
■EU産業界からの強い関心を集めた非常に魅力的なプログラム
大企業、中小企業、中堅企業、研究・技術機関などを含む多様なコンソーシアムから寄せられた134件の提案は、すべての公募トピックを網羅している。
■地理的に広範囲
EU加盟国26か国とノルウェーの550の機関が、採択された提案に参画している。
■プロジェクト内での幅広い協力
採択された提案には、EU加盟9か国とノルウェーから平均して22の機関が参加している。
■中小企業の強力な関与
中小企業は、採択された提案の全機関の39%以上を占め、申請されたEU資金総額の20%を獲得している。
■研究活動と能力開発活動の適切なバランス
25の研究プロジェクトに3億1,700万ユーロ、14の能力開発プロジェクトに5億1,400万ユーロの資金が提供されている。
■防衛向けの破壊的技術の支援
予算の4.5%が、防衛プロジェクトの概念と実施を根本的に変えるイノベーションをもたらす革新的なアイデアに充てられている。
■戦略的防衛能力と有望な新技術による解決策に対するバランスの取れた支援
■他のEU防衛イニシアチブとの一貫性
EUの「戦略的コンパス(Strategic Compass)」、EU能力の優先課題、常設軍事協力枠組み(PESCO)を通じて、採択された開発提案のうち11件がPESCOに関連付けられている。 [DW編集局]