[本文]

国・地域名:
韓国
元記事の言語:
韓国語
公開機関:
科学技術情報通信部(MSIT)
元記事公開日:
2023/06/27
抄訳記事公開日:
2023/08/07

「量子科技基本戦略」を発表 2035年までにグローバルな量子経済中心国を目指す

2035년 대한민국, 글로벌 양자경제 중심국가로!

本文:

(2023年6月27日付、韓国技術情報通信部の標記発表の概要は以下のとおり)

科学技術情報通信部は6月27日、「大韓民国量子科学技術基本戦略」を発表した。量子科学技術についての最初の国家戦略であるという点で大きな意義を持つ。目的は、技術水準を迅速に向上させることと、量子科学技術の経済・社会への活用という点において、2035年までに世界を主導できるようになることである。

戦略実現のための7大方針は次のとおりである。

1.人材確保を最優先する。具体的には、量子物理学の原理と現象を十分に理解する「量子専門研究者」は、現在384名に過ぎないが、これを2035年までに2,500名に増加させる。また、「量子エンジニア」を育成し、「専門研究者」と「エンジニア」の調和のとれた環境を構築する。そして、海外の先進的な研究機関に派遣した学生・研究者を、主要圏域ごとに設立される量子科学技術協力センターに配置する。

2.多様なイノベーションの可能性を念頭におきつつ、「選択と集中」によりミッション志向の研究開発を行う。具体的には、1,000量子ビットの超伝導汎用量子コンピューターを開発することを目標とし、さまざまな研究開発を積極的に進める。また、古典コンピューターと量子コンピューターのハイブリッド化と、量子アルゴリズムと量子ソフトウェアの開発も行う。量子通信は、100km級の量子ネットワークを開発する。また、量子センサーの基礎技術を融合して、既存のセンサーの限界を超える量子センサーを開発する。

3.研究と産業化のインフラを整備する。具体的には研究者主導の開放型量子ファブを拡充し、試験・検証設備も構築する。また、研究・産業化に共通して必要な品目現況などを調査し、重要で緊急性の高い品目は政府が開発を支援する。

4.経済・社会に活用する基盤を構築する。具体的には、スタートアップ1000+プロジェクトなどのベンチャー育成プログラムや政策金融支援を通じて、量子活用産業とスタートアップを育成する。また、「量子集中育成圏域」を構築し、政府研究開発事業参加時の官民マッチング比率の緩和や、政府がR&Dに参加した得た特許の独占的使用権付与など、企業参加促進のためのインセンティブを強化する。

5.国防・安全保障への導入を進める。具体的には、的な技術開発・人材育成のために量子特許研究センター・研究室の拡大を支援する。また、従来の暗号体系の崩壊に備えて、次世代暗号(量子耐性暗号)への転換計画を策定する。

6.研究・活用における国際的なリーダーシップを確保する。具体的には多国間技術協力に積極的に参加するとともに、主要先進国との二国間協力も強化する。また、関連品目の輸出入を統制し、サプライチェーンをモニタリングする。

7.持続可能な支援体系を確立する。具体的には、「量子科学技術および量子産業育成に関する法律」の制定を進める。また、官民共同で3兆ウォン以上を支援する大規模研究開発事業を推進する。

また同日には、量子分野の産・学・研協力を促進するため、多様な協力了解覚書の締結も行われた。特に、科学技術情報通信部が、IBMおよびIonQと専門人材育成のための協力了解覚書を締結した点が注目される。

[DW編集局]