[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
欧州委員会(EC)
元記事公開日:
2023/06/27
抄訳記事公開日:
2023/08/08

EUと日本、デジタル貿易と経済安全保障に関する協力を強化

EU and Japan strengthen cooperation on digital trade and economic security

本文:

(2023年6月27日付、欧州委員会の標記発表の概要は以下のとおり)

本日、EUと日本は、第3回ハイレベル経済対話(HLED)を開催した。対話の範囲を拡大することで合意したのに続き、今回の会合は経済安全保障を中心に行われた。

両者は、「日・EUデジタル貿易原則(EU-Japan Digital Trade Principles)」を取りまとめた。この原則は、デジタル貿易に関連する重要な問題についての共通認識と、国際貿易に対する不当な障壁のない開かれたデジタル経済への共同の取り組みを確立するもので、両者間の貿易と投資にとって重要となる。デジタル貿易原則では、データガバナンス、デジタル貿易の円滑化、消費者の信頼、企業の信頼などを対象とする。

今回の対話では、特に現在の厳しい地政学的状況において、EUと日本の間の戦略的協力の重要性が再確認された。また、米国や英国など、他のパートナー国とともに、ロシアの能力を抑制するための現在および将来の制裁に関する戦略的連携も確認した。

双方は、経済安全保障に関する二者間および多国間レベルの協力の必要性を強調し、特に最近発表された「欧州経済安全保障戦略(European Economic Security Strategy)」の観点から、経済的威圧への対抗措置、輸出管理、投資審査などの措置に関して、協力可能な領域について議論した。

双方は、経済安全保障を確保するための重要な要素である、戦略的領域における強靱なサプライチェーン構築の必要性についても合意した。これに関連して、EUと日本は、「EU重要原材料(CRM)クラブ」と今後の展開の可能性について議論した。この取り組みは、調達の多様化とサプライチェーンの強化、そして消費国と資源国を結びつけることを目的とするものである。

双方は、2024年2月のWTO第13回閣僚会議(MC13)を確実に成功させることにより、ルールに基づく国際秩序を強化する必要性についても議論した。

最後に双方は、電子商取引に関する共同声明イニシアチブ(JSI)の下で両者間の協力を強化し、デジタル貿易の機会をより適切に活用する機運を維持する可能性についても検討した。特に、「データフローに関する交渉(Data Flows negotiations)」を秋までに妥結させることの重要性を強調した。これにより、双方は既存の日・欧EPAの下で、最新のデジタル貿易ルールを導入することが可能となり、この協定がデジタル時代に適合したものとなる。

[DW編集局]