（2023年7月13日付、ドイツ連邦教育研究省（BMBF）の標記発表の概要は以下のとおり）

　連邦内閣は7月13日、連立合意されていた包括的な中国戦略を採択した。

　ベッティーナ・シュタルク＝ヴァッツインガー（Bettina Starak-Watzinger）BMBF大臣は、次のように述べている。

　「中国との関係は、パートナー、競争相手、そして体制上のライバルという3つの関係で見なければならない。特に科学と研究の分野では、中国がパートナーから競争相手やライバルへとシフトしていることに留意する必要がある。われわれは、このような中国戦略に従い、自信を持って課題に取り組み、中国に対処する上で科学に包括的に正しい方向性を与えるためのガイドラインを策定中である。
『中国に依存しない我国の能力維持』というテーマは特に重要で、BMBFはこれに強くコミットしている。中国に依存しない能力を向上させることは、社会全体の課題であり、州や大学の貢献も重要である。

　一つ明確なことは、ドイツでは科学の自由と責任が憲法に規定されていることである。われわれは不当な影響から自らを守り、中国との科学協力においても、利益と価値観に注意し、協力事業における依存を避けるための予防措置を講じ、個々の協力について慎重に検討し、価値観を共有するパートナーとの協働を進めることが重要である。協力のテーマについては、気候と健康の研究に関しては、中国も含めて国際的に貢献するという原則を適用する。技術的なテーマに関しては、中国への望ましくない技術流出のリスク、中国政府の軍民融合のリスク、および後者に関連するデュアルユースのリスクを明確に特定する。従って連邦政府は、資金提供の規制を適切化し、科学コミュニティや大学との対話を進め、さらなる意識向上を図る。

　すでに中国との第７回政府間協議において、BMBFは、上述の中国戦略アプローチに基づいて協議を進めた。BMBFは、中国のパートナー省庁との対話に応じる意思を示しつつ、同時に枠組み条件についても、明確な要求を伝えた」

　この戦略は、各省庁が中国に対する政策を一貫性をもって行うことができるようにすることを目的としている。

[DW編集局]