[本文]

国・地域名:
英国
元記事の言語:
英語
公開機関:
首相官邸
元記事公開日:
2023/06/07
抄訳記事公開日:
2023/08/18

英国、人工知能に関する初の世界サミットを主催

UK to host first global summit on Artificial Intelligence

本文:

(2023年6月7日付、首相官邸の標記発表の概要は以下のとおり)

世界が人工知能(AI)の急速な進歩によってもたらされる課題と機会に取り組む中、首相は本日、英国がAIの安全性に関する初のグローバルサミットを主催すると発表した。

AIによる画期的な進歩は、麻痺のある人の歩行を可能にすることから、耐性菌に効果のある抗生物質の発見に至るまで、我々の生活に次々と向上をもたらしている。しかし、AIの発展は非常に速く、この変化のペースには機敏なリーダーシップが必要である。そのため英国は行動を起こしている。何故なら、我々には、この技術が安全かつ責任を持って開発、採用されるようにするという世界的な義務があるからである。

先週、数十名の有力な専門家が、パンデミックや核兵器と同様にAIが人類を危険にさらし得る可能性について警告した。

スナク首相は本日ワシントンDCで、志を同じくする同盟国や企業が、AIの安全で信頼性の高い開発と使用を確保するため、国際的な枠組みを構築することの重要性を強調する予定である。今秋に英国で開催されるこのサミットでは、最先端システム(frontier systems)を含むAIのリスクについて検討し、国際的に連携した行動を通じてリスクを軽減する方法について議論する。また、これらのリスクを軽減するための共通のアプローチをさらに発展させるため、各国が協力するためのプラットフォームも提案する計画である。

ここ数週間、首相は多くの実業家や世界の指導者らとこの問題について議論してきた。これには、先月の広島サミットでこの問題に対して共通のアプローチをとることで一致したG7の全加盟国も含まれている。首相はまた5月には、ダウニング街で、OpenAI、DeepMind、Anthropicという3つの最先端AI研究所のCEOとも会談し、科学・イノベーション・技術大臣も、AIの上級リーダーらとの円卓会議を主催している。AI安全サミットでの協議は、G7、OECD、および「AIに関するグローバル・パートナーシップ(Global Partnership on AI)」での最近の議論を発展させるものである。7月には外務大臣が国連安全保障理事会で、国際平和と安全保障に関するAIの機会とリスクについての初のブリーフィングを開催する予定である。

EUからの離脱により、英国はこの急速に変化する市場に対応して、より迅速かつ機敏な行動が取れるようになっている。英国は、この技術の進歩のスピードに適応して、AIの安全かつ責任ある開発の青写真を策定した最初の先進国の1つである。また、次世代の安全なAIの構築と導入を支援する専門家タスクフォースを立ち上げ、1億ポンドの資金援助をしているほか、英国におけるエクサスケール・スーパーコンピュータなど、計算能力の開発に9億ポンドを支出することも約束している。

[DW編集局]